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(20.3.24)最後の植民地帝国中国の苦悩

おゆみ野四季の道」のテーマソング。以下のファイルをダウンロードすると曲が始まります。
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 最後の植民地帝国中国が苦悩している。チベットで暴動が発生し、中国当局の発表で約20名、亡命政府の発表で約100名の死者が出たと言う。暴動はチベットだけでなく周辺のチベット人居住地区まで拡大した。
死亡者数については、中国当局の発表は天安門事件での過小報告の前科があるから、おそらく亡命政府が言う数字に近いのだろう。

 中国の放送局が放映した映像では、ラマ僧や一般人が商店を壊したり、自動車をひっくり返したりしていたが、武装警察が発砲する場面は伏せられていた。

 今回の暴動は89年天安門事件の時以来だが、その時の暴動を鎮圧して鄧小平のお気に入りになったのが、現在の最高指導者胡錦濤だから歴史の皮肉だ。

 北京オリンピックを控えて中国首脳も頭が痛いだろうが、元はと言えば中国がチベットを植民地にしたのが原因なのだから自業自得と言うものだ。

 中国を植民地帝国と呼ぶのを不思議に思う人がいると思うが、これは事実である。
植民地とはチベット、内モンゴル、ウイグルの3箇所をさす。

 チベットが現在の中共政権によって植民地化されたのは1950年だから、すでに半世紀以上も前のことだ。その前年、中共政権蒋介石国民党軍を台湾海峡に追い落として、国内統一を成し遂げていた。

 私は長い間「なぜ中共の人民解放軍が1950年にチベットに侵入した」のかその理由が分からなかった。
なにしろチベットは4000~5000mの高地にある貧しい地域であり、ここにたどり着くには今の感覚で言えば登山道しかなかった。

 先日NHKで放送された茶馬古道がそれだ。見た方があれば分かるが、とても普通の人が通れるような道ではない。川には橋がなくワイヤーロープで馬を渡していた。

 こんな場所にせっかく統一がなって平和が訪れたのに「なぜ軍隊を派遣したか。毛沢東は頭がおかしかったのではないか」と思っていた。

 しかし、そう思っていたのは私が世界史の法則を知らなかったからで、井沢元彦氏の「逆説の日本史」を読めがこれが普通だと言うことが分かる。

 日本においては豊臣秀吉が国内統一後の有り余った軍人の失業対策として朝鮮半島に出兵したし、アレクサンダー大王はギリシャ統一戦争後に東方遠征に出かけた。ナポレオンチンギスハーンも同じだ。

 毛沢東は国共内戦に勝利した後の、人民解放軍の失業対策に悩んでいたのだ。何しろ当時の中国はまずしく、とても大量の人民解放軍を養うことができない。
国内戦は終わった。もう君たちに食わせるものはない。食い扶持はチベットに行って自分で調達しろ」と言うことだ。

 幸いにチベットは清朝時代に清の版図に組み込まれていた。実際はほとんど独立国だったが、形式上は清王朝に服属していた。

 それが、清朝滅亡後は服属する相手がなくなったため、完全に独立国の様相を呈していたところに、食詰浪人のような人民解放軍が押し寄せた。
ここは元、清朝の領土だった。だから今度は中共に服属しろ。飯と女をよこせ

 チベットダライラマを中心としたいわゆる神聖政治をしていたので、軍隊はまったくなく、たちまちのうちに人民解放軍に占領されてしまった。

 もっとも中国に言わせると「僧侶と貴族による暗黒の封建農奴社会から人民を解放した」のだから「チベット人民は幸福になった」と言うことだが、これは宗主国常套句で、日本も同じようなことを朝鮮半島の住民に言っていた。

 実際は言うことを聞かないと、男性は断種を強要され、女性は中国兵による強姦が日常的に行なわれていたと、国際法曹委員会が報告している。
中国は長いことこうした事実を隠していたが、ハリウッドが「セブンイヤーズ イン チベット」というブラッド・ピット主演の映画を作って、この事実を暴露した。

 中国は頭に来て抗議したが、当然のことだがハリウッドはその抗議を無視した。
おかげで人民解放軍の高級将校が、日本の皇居にあたるポタラ宮に土足で入ってきて、ラマ教の最も崇高な行事である砂で描いたマンダラを蹴飛ばして壊すシーンを見ることができた。

 その後ダライラマ14世が人民解放軍の圧制に耐えかね、蜂起したのが1959年だが、たちまちのうちに蹴散らされ、ダライラマ14世はインドに亡命した。
インド北部ダラムサラにあるチベット亡命政府がそれだ。

 ここからはホームズワトソン君に登場願おう。

ホームズ、チベット人が機会あるごとに独立しようとしているのは分かるが、なぜこの時期に再び暴動が発生したのだろうか
チベット側から言えば、やはり北京オリンピックをひかえ、世界の目が中国に注がれているこの機会を利用したいと言うのが一番の理由だろう。

 しかしそれだけとはいえない。今回の暴動に多くのラマ僧が参加しているが、これはラマ僧をはじめとするチベット人の精神世界が脅かされているからだ

精神世界が脅かされていると言う意味がわからないな
うん、実は中共政権は政治は中国共産党の支配下においたが、ラマ教と言う精神世界には手をつけなかった。

そのためチベット人がチベットを認識する最後の手段がこのラマ教だったわけだ。

ところが、改革解放の波がこのチベットにも訪れ、中国本土とチベットの間には3本の高速道路が開通し、さらに2006年チベット鉄道が開通してから多くの観光客がラサに来るようになった

観光客が問題なのかい
中国人の商才と、観光客の宗教への無理解が問題なのだ。
宗教絵画や仏像やその他の宗教用具を中国商人が買いあさり、それを観光客に高く売りつけている。
観光客は宗教用具を単なるお土産としか扱わない。

ラマ僧やチベット人からからみれば自分達の最後のよりどころの精神世界を土足で踏みつけられている気持ちになり、チベットが物質文明に汚染されたと思うようになったのだ


それでラマ僧が立ち上がったわけか。イランのホメイニ革命とよく似ているね。ところで今後チベット問題はどう展開するだろうか
現在の人民解放軍の力は圧倒的だから、暴動は鎮圧されるだろう。
チベット問題で中国がゆれることはないが、反対に中国がゆれれば独立運動が燃え盛るだろう。今のところそれがいつかはちょっと予想できないけどね

 

 

 

 

 

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