(20.3.16)道路特定財源で大騒ぎだ
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道路特定財源の取り扱いで国会が大騒ぎだ。
政府としては道路特定財源を当然収入として計上して予算を計上しているから、この6兆円あまりの収入がなくなったら大変だ。
なにしろ一般会計のほぼ7%程度の金額だから額が違う。
しかし、この道路特定財源のうち約3兆円がなくなりそうだ。暫定税率の期限がこの3月末日で切れるからである。
ガソリン税は信じられないことに30年以上も暫定税率が適用されて、通常の税率の約2倍の税金が取られている。
この暫定税率を取りやめれば確実にガソリン価格は25円安くなる。現在150円程度のガソリン価格は125円程度になるのだ。これは民主党の主張でもあり世論は大歓迎だ。
しかし国土交通省は、「絶対に暫定税率が廃止できない根拠」として向こう10ヵ年の道路整備計画を発表し、その間65兆円が必要だと大見得を切った。
この65兆円と言う金額は過去のどのような道路整備計画よりも大きい。
「今の財源は1円たりとも譲るわけにはいかないので、日本中道路だらけにする」と言うわけだ。
これにはさすがに世間が驚いた。さっそく新聞が噛み付いたのは、この道路特定財源から約百万円のカラオケセットを国交省が購入してカラオケ大会をしていたからだ。
私は笑ってしまったが、スクープした新聞は真剣だ。
次は国際建設技術協会が道路特定財源の1億円でWikipediaを参考にして調査報告書を作成したことがばれた。
私はこの実際の原価を試算してみたが、原価は約5百万円程度だったから残りはこの協会に対する補助金だ(Wikipedia革命 を参照)。
公共用地補償機構が職員旅行に約2100万円使用したのもばれて、国交省の旗色は俄然悪くなった。
「カラオケ大会や職員旅行でどうして道路ができるのか」冬柴さんならずとも答えようがない。
しかしここまでは本当はご愛嬌の範囲内なのだが、とうとう新聞も本丸に迫りだした。
道路特定財源から収入を得ている公益法人50団体に国交省からの天下りが1261名いて、この最高年収は2100万円だと毎日新聞が報道した。
平均年収は1600万円程度だそうだから、単純計算で約200億円になる。
この50団体に対する道路特定財源からの支出は673億円だから、支出額の約30%が天下りの役人のための給与だ。
なるほどこれなら国交省も道路特定財源を譲るわけには行くまい。
「これがなくなったら俺達の天下り先がなくなってしまう。何のために今まで苦労してきたのかわからない」と言うのが本音だろう。
さらに問題なのは、道路特定財源があまりに巨大なため、道路をいくら作ってもあまってしまうことだ。そこで国交省管轄の予算の少ない部門への流用を思いついた。
毎年予算が削られている河川整備に約3000億円流用している。
実は河川整備事業は相当問題のある事業で、不必要なダムや林道さえ作らなければ不要だった砂防工事の費用だ。
小泉さんがいくら「公共事業削減方針」を叫んでも「馬の耳に念仏」だったようだ。
どうやら道路特定財源は国交省の既得権で、自分達がどのように使用してもいいと思っているらしい。
「カラオケでも旅行でも何でもやって来い。調査報告なんてWikipediaで十分だ。金はいくらでもあるぞ」
これはやはり不必要な資金を特定の官庁に任せておくと、腐敗が始まると言う一つの例だ。
民主党の言うように、暫定税率はこの3月末で廃止し、残りの道路特定財源は一般財源にするのが筋だろう。
道路特定財源についてご意見をいただければ幸いです。
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