(20.3.15)力持ちの殿様
「おゆみ野四季の道」のテーマソング。以下のファイルをダウンロードすると曲が始まります。
「pianotokurarinetto.mid」をダウンロード
世の中には信じられないような力持ちの人がいる。Aさんという。
おなじみやこ会のメンバーで、都川源流の調節池周辺のボランティアをしているのだが、力が半端でない。
私より数歳は年齢が上なのだが、調節池周辺に捨てられていたバイクや自転車や大きなタイヤ等を一人で片付けてしまった。
若者でも苦労するバイクを、平気で持ち上げる。
この調節池から大型ゴミが消えたのはAさんのおかげである。
「何でそんなに力があるのですか」
「若い頃から力が強かったですが、最近はこの調節池の作業をすると、疲れて夜中うなっていますよ」
本人はそう言うが、どう見てもいたって元気だ。
この調節池には、水質調査をするための水を取る装置が設置してある。水辺に下りるのが大変なので、遠隔操作で木に設置した滑車を利用して水を採取するのだが、この装置を木に登って取り付けたのもAさんだ。
私など絶えて木登りなどしたことはないし、木に登ったとたん落ちそうだが、Aさんはサルのような身のこなしだ。
チエンソーで30cm程度ある丸太を切って、それをベンチにしたのもAさんである。
実はAさんは普通の人がとても読めないような苗字をしている。私などは漢字を見てもどう読むか分からないので、漢字を見ないようにしているくらいだ。
しかし世の中には物知りの人がいて「この苗字は戦国時代の千葉氏ゆかりの武将の名前のようですね」と聞いていた。
「世が世であれば一国一城の主ですよ」と笑って答えていたが、あとで資料を調べたらそれがうそでないことが分かった。
何かお殿様に粗大ゴミの片づけをさせたり、木登りをさせたりして申し訳ない気持ちになってしまった。
「殿、世が世であれば一国一城の主(あるじ)でございますのに、このようなおいたわしい姿でタイヤを片付けているとは、爺は悲しゅうございます」
「言うな、爺。わが家が滅びてすでに400年、その間徳川様にお家再興を幾度となく嘆願したがかなわなかった。
今また福田様にお願いしているが、福田様はお家騒動でとてもわが家のことまで気にかけることができぬ。
無念じゃが、余は家の再興は諦める」
「では、殿はお家再興を諦めてどのようにお過ごしあそばされるのでしょうか」
「うむ、幸いここ都川源流の調節池周辺の普請も終わったゆえ、ここに方丈の庵(いお)を構えて風流を友として住むことにしたそう。
さっそく、歌もできたぞ。爺、聞いてくれ。
わが庵(いお)は 都川なる里山に タイヤで築きし 方丈の里」
「おお、おいたわしや」
都川源流の調節池の作業写真です。この写真の中にあるタイアをAさんが片付けました。
http://picasaweb.google.co.jp/yamazakijirou/2031302?authkey=ZG2qyHqf08E
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