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(19.8.8)これはピンチだ

 ひどい状態に陥りそうだ。Yさんから頼まれた朗読の件である。9月末を目指して毎日1時間の朗読の練習をしているが、これが思いのほか手ごわいのだ。

 乙川優三郎(おとかわ ゆうざぶろう)著、「磯笛」という小説は、読んでも1時間程度で終わりそうな短編小説である。
読むだけなら、中学生でもできそうだ」当初、そお思ったがひどい誤解であることが分かってきた。

 「磯笛」と言う小説は、ちょっとヘミングウェイの「老人と海」と似たような小説で、銚子で鯛(たい)を取って生計を立てている老いた漁師の話である。 妻にも息子にも先だたれて、あとは自分の死を待っているだけの老人の所へ、元娼婦ではあるが心根の優しい女が賄い婦としてやってきた。
 老いた漁師と、心の優しい元娼婦がかわす心の情景がこの短編小説のテーマになっている。
時代設定はどお見ても昭和初期だ。

 私は当初この小説の朗読のトレーニングを始めたとき、言葉の難しさに閉口した。初めて聴く言葉が次々に出てくるのだ。
トモシ」「カチコ」「はなだ色」「いきばなし」「いなさ」「澪すじ(みおすじ)」「いきればか」・・・・・・・・・

こりゃ、一体何の意味なのだ
広辞苑を持ち出して意味を確認したが「トモシ」や「カチコ」などは辞書にも載ってない。
どこにアクセントがあるのかも分からないじゃないか

 さらに、閉口したのは銚子の漁師の地言葉の発音がさっぱり分からないのだ。
知んねかったかわしが渾名(あだな)はサメ蔵つって,タイ獲ってるだァ
「・・このさむしい気持ち、陸(おか)で生きてきた人には分がんねいや誰にも分がんね

どお発音すれば、銚子言葉になるんだ」天を仰いでしまった。

 しかし、この程度は序の口だった。
 朗読を繰り返していくうちに私はこの短編小説が大変気に入ってきたのだが、今度はこの小説に出てくる女の境遇にひどく同情してしまった。
 正直言うと、私は女性に同情すると思わず涙が出てきて、声が上ずってしまう。もっとはっきり言えば泣いてしまうのだ。

 朗読をしながら、読みてが泣き出したら朗読になりそうもない。

亀ゴン、どうしょう。読むたびに胸がつまって泣き声になってしまうよ。レコード大賞を取って泣いて歌っている女性歌手みたいになりそうだ
先生、しっかりしてください。泣きそうになったら深く息をして、心を落ち着かせるのです。たとえ主人公の女性に同情しても、心は平静にたもつのです。熱き心と冷静な精神です

そんなことできるのだろか。いっそ女性が出てくるところは飛ばして読もうか
心の鍛錬も必要なのです。奥様から言われている『蚤の心臓』を鍛えるいい機会です。先生は映画でも悲しい場面になるとすぐ席をはずしますが、今度ばかりはそおもいきません」

 これはどうも、Yさんに断りを入れたほうがよさそうな雰囲気になってきた。
ぼくちゃん、泣いてしまって読めないの
 許してくれるだろうか?

なお、私が朗読をするようになった経緯は以下の記事を見てください。
http://yamazakijirou.cocolog-nifty.com/blog/2007/08/1983_5194.html

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