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(19.7.31)忠助 シナリオその4

7月28日から4日間はシナリオ週間になっております。このシナリオはシナリオ1、シナリオ2、シナリオ3からの続きですので、まだ読まれていない方は、そちらから読むようにしてください。

15.大山剣ガ峰からの下降路
  
語り 「こおして忠助は、大山剣ガ峰からの下降をはじめたのです」

  音響 忠助のテーマソング
  音響 梟の声、狼のさけびごえ

忠助 「しかし、夜中の大山は不気味だね。はやく降りて、温泉でいっぺいやりたいよ。疲れたけど、もう少しで大犬神神社に到着するはずだよ。ありゃー、なんだありゃー。かがり火と松明の大群じゃねいか」

16.大神山神社の結界

  音響 松明の燃え盛る音
忠助 「なんだい、どうしたんだい。異様な雰囲気だね。なんで山伏が完全武装して待ち構えてるんだい。ひいふうみいよ、いや50名はいますよ」

  音響 不気味な経をよむ声
忠助 「こりゃ、いけねえや。どうも、すん なり通してくれそうもありませんよ」

  音響 忠助の足音。緊迫感をもりあげる効果音
山伏 「あいや、またれよ、そこもと途中で上半身は熊、下半身は人間のなりをした熊男に遭遇しなかったか?」
忠助 「いや、拙者、いっこうに存ぜぬが。熊がどうにかしたのでござるか」

山伏 「いや、先程遠眼鏡で稜線を探索していたところ、わが眷族の修験者二名が熊男におそわれ、あわれ、谷底へと墜落、生死不明の状況でござる。しかし、熊男に会われなかったことは何より。されば、きおつけていかれよ」

山伏 「頭領、別段怪しげな人間ではないようです」
忠助 「(独り言)やれやれ、もう少しでつかまるとこだった」

17.橋本周の奥座敷

  音響 小鳥の囀り。竹藪にふくそよ風
語り 「かくして無事に津和野に帰りついた忠助が、周、菊の前で伯耄大山の荒行の結果を報告している

 「忠助、よくぞ無事に戻った。大義であった。して、首尾はいかがじゃ?」
忠助 「旦那様、お喜びくだせい。伯耄大山の荒行、みごと終えてめいりやした」

周 「途中で身元が割れるようなことはなかったであろうな?」
忠助 「大山寺の関所も、大神山神社の関所もなんなく、くぐり抜けやした」

 「さようか、それを聞いて安心した。疲れたであろう。ゆるりと休め、もう下がってよいぞ」
忠助 「あの、実は、ヒサに祝言のこと、すぐにつげていのですが」

 「(ギョとして)ヒサか、そうじゃったのう、ヒサか。しかしヒサはこの屋敷にもうおらぬ。おらぬのじゃ」
忠助 「(不信げに)じゃ、病気でもして、国に帰ってるんでやすか?」

周 「(さらにどぎまぎして)いや、いや、そうではないのじゃ。よわったのう、菊、なんとか答えてくれぬか」
  音響 不吉な効果音

 「忠助、実はヒサはな、当藩の藩主、出羽守様が当家にお忍びでこられたおり、いたくお気に入りになり、そのまま、側女にされてしまわれたのじゃ。いや、私も忠助という許嫁がいるので、そればかりはともうしたのですが、おお殿様はあのように気短なおかた、どうすることもできなかったのじゃ。忠助、許してくりゃれ」
忠助 「(大声で)そりゃ、ねえすよ。伯耄大山の荒行、みごと成就したあかつきには、ヒサと夫婦になっていいって、約束したじゃねえすか。旦那様は反対してくれなかったんでやすか」

 「いや、それがな、忠助。運の悪いことにわしは伯耄大山に荒業にいっていることになっておろう。悔しいではないか、忠助、わしが留守であることを幸いに、なんと、何とおお殿様は当家にお忍びでこられたのじゃ」
忠助 「で、旦那様はどうしておられたのでやすか」

 「うむ、押入れにかくれて様子をうかがっておった」
 「忠助、聞いてくりゃれ、わらわが殿様より無理難題をいわれ、手を握られて飲めぬ酒をのまされているあいだ、旦那様は平気でおしいれに隠れておられたのですよ」

 「そ、それは、伯耄大山に荒業にいっていることになっているので致し方なく」
 「ところが、女中のヒサが酒肴を運んできた途端、おお殿様の態度ががらりとかわり、わらわのことなど全く無視、ヒサをどうしても側女にと、それはつよいお申し出。するとなんと旦那様が押入れからでてまいって」

 「そうじゃ、忠助、わしは断固反対したのじゃ。ヒサの代わりに、菊をと、なんどもたのんじゃのじゃ。菊ならばいかようにもと泣いてたのんだのじゃ」
 「まったく、わらわの時は冷静そのものであるのに、ことヒサのことになると我をわすれて飛び出してくるとは、呆れてものもも うせませぬ」

 「それでな、忠助。わしが影武者をたてたこと、おお殿にばれてしまったのじゃ」
忠助 「それでどうなっちまったんで」

周 「うむ、忠助、許してくれい。影武者の件を内緒にする条件としてヒサをおお殿の側女にさしだすことになってしまったのじゃ。おお、かわいそうなヒサ(泣き出す)」
 「ふん、わらわのことで泣いたことなどないくせに」

18.津和野、二本松城

  音響 松風
語り 「津和野、二本松城の堀端で強い決心をしている忠助がおりました」

忠助 「ヒサちゃん、おいらどうしても我慢ならねい。助けにいくからまってろよ」

  音響 五右衛門のテーマソング
五右衛門 「おい、にいちゃん、こんなところでなにうろうろしてるんだい。おめえ、ひょっとしたら、この城にもぐりこみていじゃないかい」
忠助 「側女にされたヒサをとりもどすんだ。どうしても城にもぐりこむんだ」

五右衛門 「あんた、ど素人だね。いくら力んでもはいるにゃ技術がいるんだよ」
忠助 「ところで、あんた誰だい」

五右衛門 「よーく、きいてくださった。とわれて名乗るもおこがましいが、姓は石川、名は五右衛門、ひとよんで夜盗の五右衛門とはっします」
忠助 「すると、兄さんがあの有名な怪盗かい。なら、兄さん、なんとかヒサを助ける算段を考えてくれねえか」
五右衛門 「そうよなあ、こおした場合は故事にならって、城に火をつけ、どさくさにまぎれて、そのヒサちゃんていのを助けるとうのはどうだい」

忠助 「しかし、放火は御法度だよ」
五右衛門 「保険にははいっているんだろ」

忠助 「旦那様の話しだとロイドの保険にはいっているいってた」
五右衛門 「なら、かまわねいじゃねいか。おいらが火をつける。おめいさんは(火事だ)といって城内を混乱させ、ヒサを助ける。いいな」

忠助 「わかった。じゃ、手筈を整えるまで一日待ってくれ、決行は明日の夜、12時」
五右衛門 「おうよ」

19.津和野、二本松城、本丸

語り
 「翌日の二本松城、本丸」

出羽守 「これ、ヒサ、そのようにいつまでも泣いていたのでは身体にさわるではないか 。忠助と離したのは余が悪かった。しかし、ヒサ、余も男じゃ。ヒサのような美しいおなごをみて、心が動かぬほうがおかしい。のうヒサ、忠助には良いおなごをあてがってやる。家の奥などどうじゃ」
ヒサ 「悲しみはここに連れてこられたことだけではございません。今日は満月。この日、私を月の使いが来て月の世界につれもどされるのです。ですから、おお殿様ともお別れしなければなりません」

出羽守 「なに月の使いとな、許せぬ、ヒサをつれていくとは許せぬ。これ三太夫、三太夫はおらぬか」
三太夫 「三太夫めにございます」

出羽守 「今宵、にっくき月の使いがヒサを月の国につれもどそうとやってくる。先手を打つのじゃ。城内に月見団子をくまなくばらまいておけ。つきの使者が団子を食べている間に射殺すのじゃ。うはははははは」

語り 「そして夜、12時」

  音響 半鐘の音。消防車のサイレン
忠助 「火事だー、火事だー、おのおのおであいめされい、火事だー」
出羽守 「なんと、火事とな、三太夫、三太夫はおらぬか」

三太夫 「三太夫めにございます」
出羽守 「三太夫、火事は何処じゃ」

三太夫 「ここ、本丸でございます」
出羽守 「なに、本丸とな、しかし、ここは何ともないではないか」

三太夫 「外からみますと赤々ともえております」
出羽守 「なんと、面妖な。しかし、躊躇はなるまい、人間バーベキューはなんとしてもいやじゃ」

三太夫 「おヒサの方様はいかがいたしたしましょうや
出羽守 
「馬鹿、馬鹿、お前は余とヒサとどちらが大事だとおもっているのか、すぐに逃 げるぞ、すぐにじゃ」

  音響 バタバタと逃げる音
  音響 忠助のテーマソング

語り 「このようにして、バテレンから譲り受けた幻灯機を使った,火事のトリックにお殿様はまんまとひっかかったのでございます」

忠助 「ヒサちゃん、いたら返事して」
ヒサ 「忠助さん、ここよ、ここ」

忠助 「へへへ、やっと会えたね。手紙見てくれたんだね」
ヒサ 「昨日、橋本の奥方様から、急に使いがきて、中に忠助さんからの手紙がはいってたんで、びっくりしちゃった」

忠助 「奥方様はこんどの仕打ちを怒っていたから協力してくれたんだ」
ヒサ 「バテレンの幻灯機って、本当うにすごいのね」

忠助 「FSXと言うんだ。ジョージルーカスから教わったんだ」
ヒサ 「そして、私は月の使いに連れていかれることになるのね」
忠助 「おいらがその月の使いさ」
                                         終わり   

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(19.7.30)忠助 シナリオその3

 7月28日から4日間はシナリオ週間になっております。このシナリオはシナリオ1、シナリオ2からの続きですので、まだ読まれていない方は、そちらから読むようにしてください。

12.剣ガ峰の直下

  音響 忠助のテーマソング
忠助 「おんや、こんなとこに立て札がありますよ(ここ降りること危険、近寄るべからず)か。なんで下りちゃいけないんですかね」

  音響 不気味な雰囲気をかもす
語り 「(震える声で)そのとき、忠助はきずかなかったが、そこは魔界の入口だったのです。一度入り込めば二度と戻れぬ魔の谷に忠助は・・・・・・・」

  音響 忠助のテーマソング
忠助 「(馬鹿にして)ははーん、えっ、なんでこんな所が、危険なの? 危険と火事は江戸の花よ。危険といわれて引っ込むような忠助様じゃありませんよ。危険、ようがす。その危険ていのをおがましてもらいやしょう。なんだい、ただの砂滑りじゃないか」
  音響 砂地を滑り落ちる音。石の落下音。

  音響 地獄のテーマソング
鬼A 「わはははは、鴨がついにかかった。蟻地獄を下りた。おい、食事の支度をしろ。ワインはプーチンからもらったアルメニア産がいいぞ」
鬼B 「へへへ、周りの壁がせまってきましたよ。めちゃ急角度ですよ。魔界に落ち込む死の谷でやんす。ほれ、はよう落ちろ,落ちろ」

  音響 石の落ちる金属音
忠助 「おっと、あぶねい、注意、注意」

  音響 地獄のテーマソング
鬼A 「見てみろ、見てみろ。両壁がどんどんせまってきたぞ。こおいう煙突を縦にしたような場所をチムニーってんだ。こんな場所は技術がなきゃおりられねえのよ」
忠助 「はは、さらに狭くなりましたね。狭くなると背中と足を突っ張りながらおりるんです。キャツホー、がぜん調子がでてきましたよ。ガストン・レビュファ万歳」

語り 「このようにして忠助は伯耄大山の魔界にひきずりこまれていくのでした。 そして」

  音響 不気味に盛り上がる
忠助 「あっ、なに、これ(叫ぶ)。大滝になっちゃった(覗き込む忠助)」

  音響 大量の水の落ちる音
  音響 地獄のテーマソング
鬼A 「ウワハハハハ、やったぜベービー、調子にのって降りてきたが、ようやく網にかかったぞ」

  響 鬼の高笑い

語り 「引き返そうとして、岩の窪みに手をかけて登ろうとする忠助。しかし、柔らかい火山岩のため、すぐに崩れ、いくら努力しても登れません。こうして忠助は伯耄大山の魔界に捕らわれたのでした」

忠助 「ありゃ、ありゃ、おいら飛び下りるときは忘れてたけど、この小さな滝、どうやって登るの?」

  音響 烏の鳴き声。ひぐらしの鳴き声。冷たい風の音。遠くの滝の音

  音響 地獄のテーマソング
鬼A 「ほれ、早く餓死しろ、早く死ね」
鬼B 「兄貴、まだかい。夕食になっちゃうじゃないか」

鬼A 「しょうがねえだろ、人間をいきたままたべるとエイズになるんだから」

  音響 忠助のテーマソング
忠助 「もし、おいらが遭難したらどうしょう。きっと旦那様がヒサちゃんの寝込みをおそい、そして。あっ、それだけは、やだーー、許せない」
ヒサ 「(悲鳴)忠助さん、たすけてー」

  音響 思いっきりドラマチックに
忠助 「ヒサちゃんーーーおいら、おいらどうしても津和野に戻るんだ。だって・・」

  音響 変身を表す効果音
  音響 地獄のテーマソング

鬼B 「兄貴、ていへんだ。あいつ、変身しよる。熊の変身や。ありゃ、ゴワゴワとした毛がからだ一面にはえて、うわ、するどい爪がはえて、なんと、月にむかって吠えとるがな、狼とまちがえてるんやないけ」
鬼A 「熊と狼の区別がつかんのは勉強不足やな。日ソ合同映画の(オーロラの下)の招待券、渡してやれや」

鬼B 「しかし、あにき、あの変身はえろう 、中途半端やで。上半身は熊でも、下半身は人間のままや」
鬼A 「そりゃ、そうや。人間のほうが、下半身はつよいんや。バテレンから歌麿っていわれとるやろが」

  音響 熊の雄叫び
忠助 「(声が変わる)ウワハハハハハ、どうじゃ、熊になったぞ。この身体中からはえた固い黒い毛。手の固い爪。いかなる滝も登りきるぞ」

  音響 熊の雄叫び
忠助 「滝がなんだ」
  音響 熊が滝を登っている音

忠助 「ウワハハハハ、岩がなんじゃ」
  音響 熊が岩を登っている音

忠助 「ウワハハハハ、砂がなんじゃ」
  音響 熊が砂上の壁を登っている音。天に向かって吠える
忠助 「ウワハハハ(息がきれてる)漸く稜線にたどりついたぞ」
  音響 激しいいきずかい

  音響 地獄のテーマソング
鬼B 「兄貴、餌がにげちゃった。また、飯、くいっぱぐれちゃったよ」
鬼B 「うむ、こうなれば致し方ない。意図的に崖崩れをおこして、あいつを地獄に引っ張りこもう」

13.同稜線

  音響 忠助のテーマソング
語り 「この時、剣ガ峰から降りてくる修験者2人が忠助の熊男に遭遇したのでした」
修験者A 「あっ、あれはなんだ」
修験者B 「かもしか? いや熊じゃないか」

修験者A 「逃げるか」
修験者B 「馬鹿な、われわれは修験者では ないか、熊ぐらいでにげてどうする」

修験者A 「じゃ、どうする」
修験者B 「勿論、折伏する。ハンニャハラミタツ、我に霊力あらば熊を退散させよ。霊力なくば、熊の餌食とならん」

修験者A 「おい、熊がどんどん、近寄ってくるよ」
修験者B 「ううーう、わーお、我に霊力をあたえよ。さあらざればこの隣の修験者を熊に捧げん」

  音響 熊のさけびごえ。突進してくる音
修験者A 「やだよ、冗談じゃないよ。熊の餌食なんかなりたくないよ。お前に霊力なんかあるわけないじゃんか」

  音響 忠助のテーマソング
忠助 「(熊語で)心配しないでいいよ。おいらは熊じゃないよ。こっちにおいでよ」

修験者A 「(慌てる)あわわわー、逃げろ、食われる」
修験者B 「まて、まて、ずるいぞ、俺をおいてくな」

13.同稜線直下

語り「このとき稜線直下では、鬼達が崖崩れを起こす準備を整えていました」

  音響 地獄のテーマソング。Uボート二乗った鬼が獲物を狙っている。
鬼B 「魚雷装填準備完了。目標,右20度、距離1000m、速度1ノットで移動中」

鬼A 「魚雷、発射」
  響 発射音、急速潜行音、魚雷が水をきって進む音、爆発音。鬼Bが潜望鏡を上げて確認をする。

鬼B 「修験者二名が崖から消えました」
鬼A 「熊は?」

鬼B 「残念ながら生きております」
鬼A 「しかたない、今日の獲物は修験者二匹で我慢しよう。クロンシュタットの基地にもどる。総統も許してくれるだろう」

鬼B 「はっ、ハイル・ヒットラー、ハイル・閻魔大王」

  音響 修験者の断末魔の叫び声
  音響 忠助のテーマソング

忠助 「(熊語で)ありゃ、崖がくずれて二人とも谷に落ちちゃった。だから、注意しないいと落ちると言ったじゃないか。きおつけろ、馬鹿(大声で)」

14.京都大学霊長類研究所(2007年)

語り 「京都大学霊長類研究所河谷研究室の河谷教授が瓦版を黒板にはりつけ、講義をしている」

河谷教授 「いや、ほんま。日本にも雪男は いたんや。これ、みてみい。江戸は元禄年間の瓦版やけど、熊男とかいてあるやろ。しかし、ほんまは熊男やないんで。間違いあらへん、雪男や。日本は雪がすくないから白くないだけや。そやさかい、こんど学会でこの歴史的事実を発表するんや。ノーベル賞もんやで。この雪男、ごつい女好きやさかい学名をイェティー・ジャポニカ・エロチカと命名するんや」

  音響 万雷の拍手
芸者 「先生、そないなこといわはっても、この熊男はん、下半身は人間やおまへんか。雪男はんは人間とのあいのこはんどすか?」
河谷教授 「いや、いや、舞子はんだけあっていいところつきますな。これはオフレコやけど、この雪男、実は歌麿なんや」

(以下NO4に続く)

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(19.7.29)忠助 シナリオその2

7月28日から4日間はシナリオ週間になっております。このシナリオはシナリオ1からの続きですので、まだ読まれていない方は、そちらから読むようにしてください。

6 橋本周の奥座敷

  音響 襖が強く開く音。力強い足音
忠助 「だんなさま、お呼びでございますか、忠助、めいりやした」
 「うむ、奥がそちに用があるそうな」

忠助 「へい、奥方様、なんでごぜいやすか」
 「まずは忠助、近くによりなさい」

  音響 擦り寄る音
 「忠助、ちかごろジョギングは毎日しておるか?」

忠助 「へい、雨の日以外は走っておりやす」
 「さようか、よいこころがけじゃ。平時において乱をわすれず。これが戦国時代であれば一国一城の主になれたものを・・・あな、おしや・・」

周 「戦国時代でも頭がなきゃ、一国一城の主になれるはずがないよ(ぼそぼそと小さなこえで独り言)」
 「殿、おしずかに(きつく小さな声)。 さて、忠助、このたび殿が伯耄大山の荒行にでむくこと、知っておろうな」

忠助 「へい、中元仲間じゃ、さすが、武勲の誉れたかい服部様と、噂しあっておりやす」
 「しかし、詮ないこと(泣くまね)。殿には、決して他言すまじき病をお持ちなのじゃ」

忠助 「へい、病ですか?(同情の声)」
 「他言すまいぞ。実は殿は先天性骨萎縮症にかかっておられ、とくに高いところに登ると急に身体が縮んでしまわれるのじゃ」

忠助 「それで奥方様の前でいつも縮こまっておられるんでやすか」
 「うっ、うむ(狼狽)」

 「のう、忠助。これは人助けじゃ。殿にかわって伯耄大山にいってくりゃれ(哀願するように)」
  音響 激しい心臓の鼓動
忠助 「(一呼吸置いて)へい、本来なら喜んで引き受けるところでやすが、実はあっしも、人にいえねえ 病気持ちでして」

 「お前が病気もちとは聞いたことがないが・・・して何の病気じゃ?」
忠助 「へい、先天性骨拡大症といいやして、高い所にのぼると急に身体が大きくなりやす。先だっても屋根の修理をしておりましたら、急に身体がおおきくなり、屋根をぶちわって下にまっさかさま。下じゃ、雷様がおちてきたとおおさわぎ・・・」

  音響 周と菊の咳払い
菊 「いや、忠助。そうじゃ、聞くところによれば、そちは女中のヒサとたいそう仲がよいようじゃのう」
忠助 「へい、先だって旦那様に晴れて夫婦になりていとお頼みしやしたところ、まだとしはもいかぬゆえ、しばし待つようにいわれやした」

 「これは不思議。忠助はすでに23、ヒサも18。ちょうどよい年頃ではありませぬか。のう、殿(きつい調子)」
 「あっ、いや、その、なんじゃな。どうしてもヒサでなくてはいかんのか。上女中のイネではどうじゃ(狼狽)」

 「なにを馬鹿なことを。イネはすでに80ではございませぬか」
 「おお、そうであった。では、トラではどうじゃ」

菊 「殿、トラは猫でございます。すると殿はなにかヒサが忠助と夫婦になっては困ることでもあるのですか(疑いぶかく)」

 「いや、いや、けっしてそのようなことはないぞ。なにもないぞ(慌てる)」
 「では、決まりました。忠助、ヒサと晴れて夫婦になることを許します。よろしいですね、殿(ぐっと念を押す)。ところで、忠助、先天性骨拡大症はもうなおったか」

忠助 「へい、なぜかすっかりなおりやした。伯耄大山には、明日にでも出立いたしやす(陽気に)」
 「よく、申した。はれてヒサと夫婦にな る日をまっております」

 「(小さな声で)なんで忠助がヒサと夫婦になるんだ。忠助には猫のトラがにあいじゃ」
 「えっ、何かもうしましたか」

 「あっ、いや、なにもいってないぞ」
 「ところで、旦那様。旦那様は伯耄大山にいってることになっているのですから、当家より、一歩も外出してはなりませぬ。先程近畿日本ツーリストよりパンフレットがおくられてきましたが、よもや旦那様は、韓国のキーセンツアーに参加なさるおつもりではありませぬな?」

 「いや、その、急に休暇がとれることになったので、見聞を広めようとおもってな、いや、そうなのだ(慌てる)」
 「(強く)なりませぬ。庭で身体をやき、旅の日焼けの代わりにしなさい」

 「(不貞腐れて)ヒサもだめ、韓国もだめ、やることないじゃんか」
 「西行法師の故事にならい、和歌をしたためるのです」

7.大山寺

  音響 僧侶の読経の声。蝉のかまびすしい鳴き声
語り 「出雲の国、大山寺。侍姿の忠助が大仙寺を訪ねる」

僧侶 「して、そこもとが、橋本周殿か」
忠助 「さようでござる」

僧侶 「おききおよびのこととは思うが、ここ大山寺は、奈良朝の時代より、霊験所として諸国にしられ、練行の士の恰好の行場である。ここと並びしょうされる場はただ一つ。アメリカの祈祷師、ジョージ・ルーカスのFSX撮影所しかない。存じておろうな」
忠助 「しかと」

僧侶 「では、大山縦走、死の荒業にはいるまえに、心の修行としてそちに公案をさずける。この公案がとけるまでは、ここ大山寺で禅の修行をしていただく」
忠助 「あの、公案ってなんでやすか」

僧侶 「なんじゃ、公案も知らずに修行にきたともうすのか。公案とはすなわち、直観による生命の認識じゃ。故丹波哲郎がやっておったろうが」

忠助 「はぁ?」
僧侶 「これがそちに授ける公案じゃ。解けるまでは、食事はおろか、寝ることも、また屁をすることもまかりならん」

忠助 「あの、屁もですか」
僧侶 「さよう。いざ、とかれよ(よき隣人として付き合うことの報いとはなにか)」

忠助 「あの、それが公案でやすか」
僧侶 「さよう、お釈迦様が三年も菩提樹の下で沈思黙考し、公案された難問中の難問じゃ」

忠助 「あの、簡単にといていいでやすか」
僧侶 「ふははははは(馬鹿にした笑い)この公案はあの山中鹿之助さえ、三日三晩考え、ついに解くことのできなかった公案、そこもとがすぐにとけるようなものではない」

忠助 「じゃ、お答えしやす。それはイラク戦争をイラク人の解放と位置づけて戦争をしたブッシュ大統領でやんす。いまはスンニ派だけでなくシーア派からも自爆テロをしかけられて、引きに引けなくなっています」

僧侶 「(驚愕)な、なんと。この事実、ボイス・オブ・アメリカをきいている当寺しかしらぬ、トップシークレットじゃ。そこもと、どこでこの事実しったのじゃ」
忠助 「へい、NHKの衛星放送でやんす」

僧侶 「げに、おそろしげなのは衛星放送。公案が解けた以上、禅の修行は終了じゃ。すぐさま伯耄大山の剣の刃の縦走にでられよ」

8 伯耄大山の山麓

  音響 蝉の声。木立の揺れる音。水のせせらぎ。忠助の足音
忠助 「なんだい、考案だなんて大袈裟なこといいやがって。単にニュースを聞いている かいないかの差じゃねいか、あほんだら」

  音響 寺の鐘の音。不気味な音楽
忠助 「あっ、ここですよ。大山寺の登山口。山伏が結界をひいて待ち構えているからって、さんざん旦那様から注意されてとこですよ。いや、じつに怖そうな山伏ですね」

  音響 鋭い金属音。50名のや山伏の集団。
山伏 「つぎの者、通行手形をみせられよ。荷物はそのパックだけか」
忠助 「へい、これだけでやんす」

山伏 「なかに、iPodとか、ポータブルDVDなんかは入ってないであろうな」
忠助 「ごぜいやせん」

山伏 「うむ、して、そこもと、服部周殿に相違ないな」
忠助 「服部周でござる」

山伏 「貴藩の藩主、坂崎出羽守殿より、近頃、伯耄大山の荒行に影武者を使う不心得者があるゆえ、厳にチェックするよう回状がまわってきておる。貴殿の人相書もあるゆえ、 しばしまたれよ」

  音響 不安をかきたてる音。心臓の鼓動。人相書を探す山伏の声

9.韓国と北朝鮮の国境 板門店

  音楽 007のテーマソング
語り 「韓国と北朝鮮を隔てる板門店。忠助が007のショーン・コネリーばりのタフガイに変身、山伏は北朝鮮の将校に変身する」

  音響 緊急事態をしらせる非常ベル
放送 「非常事態発生、非常事態発生。ただちに第一級警備につけ。007忠助が国境を突破しようとしている。射殺せよ。繰り返す。射殺せよ」

  音響 銃声。マシンガンの音。走りまわる兵士の足音
将校 「(さけびごえ)忠助はサイドカーに乗って逃げた。すぐさま追え」

  音響 サイドカーの爆音。追う自動車の爆音。銃声
将校 「(無線)こちら、板門店、板門店。忠助がサイドカーに乗って逃亡中。ヘリ部隊の応援をこう。繰り返す、ヘリ部隊の応援をこう」
部隊 「(無線)こちら、首領様ヘリ部隊。了解」

  音響 ヘリコプターの爆音
部隊 「(無線)こちら、首領様ヘリ部隊。忠助を発見した。ただちに攻撃に移る」

  音響 ヘリコプターが速度を上げた音
部隊 「ミサイル、発射」

  音響 ミサイルの発射音。炸裂音
隊員A 「外れたじゃないか。どこをねらってんだ。ばかもの。もっとねらって撃て。ミサイル一つでピョンヤンに五つもハンバーガー店ができるんだぞ」
隊員B 「はっ、すいません。第二ミサイル発射」

  音響 ミサイルの発射音。炸裂音
  音楽 最高に盛り上がる
隊員A 「しまった。前に元禄年間の看板がある。あそこに飛び込まれるとタイムスリップする」

  音響 サイドカーの爆音。看板を突き破る音
  音楽 007のBG終わり

10 大山の弥山(みせん)に登る稜線

  音響 稜線にふく風。小鳥の囀り。登山客の歌う山男の歌
語り 「こおして危機を脱した忠助は弥山(みせん)の稜線を登っていった」

忠助 「いや、おどろいたね。まさか人相書がまわっているとは知らなかったよ。おかげで、ちょっとした007をしちゃったじゃねえか。しかしなんだね、ここから見る日本海はじつに美しいね」

  音響 稜線に吹きつける突風
忠助 「おっととと、へっ、この程度の風で びくつく忠助様じゃありませんよ。いや、うちの旦那様もおおげさだよ。こんなのが、なにしおう伯耄大山の荒行かい」

  音響 忠助が歌うアルプス一万尺の歌。段々と息が切れてくる。はく息の音。はやがねのような心臓の鼓動
忠助 「(息がきれながら)へへへ、きましたよ。これが大山の頂上といわれた弥山(みせん)の山頂ですよ。さてと、ここからが本番だって旦那様がいってましたっけ」

  音響 不気味さをます音。不死鳥の叫びごえ
語り 「そのとき忠助は弥山から剣ガ峰にむかう切り立った稜線を始めてみたのでした。左右の絶壁が不気味に奈落の底へとおちこみ、地獄の様相を呈しておりました(女性の不気味な声)」

忠助 「(声がふるえる)へっ、なんだい、冗談じゃねいよ。この程度の断崖、怖がって中間やってられるかい。こっちとら、ヒサちゃんと夫婦になれるかどうかのせとぎわだよ 」

  音楽 野菊の墓のテーマソング
語り 「伊藤左千夫盗作、野菊の墓」

ヒサ 「忠助さんは、きっと大山にいって帰ってこない人になってしまう(涙声)ヒサはヒサは」
忠助 「何をいうんだヒサちゃん。僕は絶対に君のところに戻ってくる。僕を信じてくれ」

ヒサ 「でも、でもヒサ・・・・」

  音響 感情をもりあげる音楽
忠助 「君は野菊のように美しい人だ」
ヒサ 「あっ、忠助さん、いけない」

  音響 だきあうヒサと忠助
  音楽 強く跳ねて

忠助 「あっ、また馬鹿やっちゃった。こんなことやってる暇なかったんだっけ(頭をたたく音

11.地獄谷

  音響 地獄のテーマソング。鬼の声は合 成音声にして特徴を際立たせる
鬼A 「へへへへへ、見てみろ、見てみろ、あほが稜線で一人芝居やってるぜ。おちりゃ地獄だとはしらねえでよ。鴨ねぎよ。この地獄谷におちてきたら鬼のエサだ」
鬼B 「ねえ、兄貴、こんどは俺に食わせてくれ、兄貴はいつも、いいとこくっているが、おれは髪の毛しか食ってねえ」

鬼A 「うるせい、地獄には、地獄の掟があるんだ。股肉は大王、尻肉は俺、お前には髪の毛をやるから、髪の毛売って羅生門やってこい」
鬼B 「いまはアデランスが流行ってるからうれねんだ」

鬼A 「うるせい、御託をならべるな」

(シナリオ3に続く)

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(19.7.28)忠助 シナリオその1

 今日から4日間はシナリオ週間です。シナリオは私の個人的な趣味で、時々作成しています。私の趣味につき合わせてしまってまことに申し訳ないのですが、書いている本人も息抜きをして楽しまないと、とても毎日ブログがかけません。

 今回は時代劇に挑戦しました

1 岩見の国、津和野、三本松城、本丸。 
 
  音響 登城を知らせる太鼓の音
茶坊主 「橋本周(あまね)様、おなーり」

  音響 城内の朝の喧騒
語り 「岩見の国、津和野。城主、坂崎出羽守が守る三本松城の本丸に、重臣の橋本周が登城してきた」
            
茶坊主 「ささ、おお殿様がお待ち兼ねです。橋本様、お急ぎくだされ」

  音響 襖の開く音。畳のすり足の音
出羽守 「おう、周か、まっていたぞ。さっ、ちこうよれ」
 「はっ」
出羽守 「これ、周、はよう、ちこうよれ。おりいっての頼みがあるのじゃ」(せかせる)

  音響 すりよる音
 「殿よりの直々の頼みとは、して、いかがなことでございましょうか」(怪訝な感じ
出羽守 「うむ、周は当家の重臣ゆえ、十分承知のこととは思うが、当坂崎家は毎年、祖 先の霊をうやまい、当家の繁栄を祈念して、伯耄大山で荒業を執り行っておる。そのこと、存じておろうな」

 「当家、最大のイベントとこころえております。その業の厳しさは、ヨーロッパの西においては、並ぶものなき荒業と聖フランシスコ・ザビエルが申しておりました」
出羽守 「うむ、そこでじゃ、周。本来なら、古式にのっとり余が当家の頭領として、伯耄大山の荒行に出立すべきであるが、あいにく今年は三勤交代で江戸表にまいらねばならぬ。まことに残念な事態とわねばなるまい。ものは相談じゃが、周、余にかわって伯耄大山にいってくれぬか」(周の顔を覗き込む)

  
音響  激しい心臓の鼓動
 「(息を整えながら)殿よりの直々のお言葉なれば、喜んでお引受けすべきところ、あいにく、拙者、右足に脚気がでており、大事なお役目なればこそ、お引受け致し兼ねます」
出羽守 「すでに20余名のものに依頼したが、いずれも明日おもしれぬ病気もちばかり。周、そちが最後の頼みじゃ(哀願)」

 「右足だけでなく、左足も脚気がでておりますれば、ひらにごようしゃを」
出羽守 「昨日は奥女中のあやめと楽しげにテニスをしていたではないか、見ておったぞ!(皮肉っぽく)」

 「その後、急に脚気がでてまいり(冷や汗を拭く)」
出羽守 「しからば、これではどうじゃ。伯耄大山の荒行をみごとなし遂げたあかつきには、100石、加増いたそう。どうじゃ、周、脚気はなおったか?」

 「いつのまにか、全快しておりまする」
出羽守 「そうであろう、そうであろう。周、吉報をまっておるぞ」

2 橋本周の屋敷

  音響 小鳥のさえずり、竹藪にふくそよ風
語り 「ここは、橋本周の屋敷。おりしも周が妻、菊にことの次第を説明している」

 「すると、あなた様はこの大役をお引受けしたのですか(軽蔑をこめて)」
 「100石、加増と聞けば、ひきうけない訳にはいくまい。なにせ、来年は子供の高校受験もあるし、そちの訪問着も新調せねばなるまいし」

 「殿は、伯耄大山の荒行がどのようなものか御存知ないから、そんな呑気なことを言えるのです。よいですか、昨年、服部十蔵様がお引受けになり、いさんで大山縦走をしていかなることになったか」

3 大山縦走(1年前)

  音響 暴風雨
語り 「一年前、大山縦走中の服部十蔵」

十蔵 「(叫ぶ余は十蔵じゃぞ、風がなんじゃ、雨がなんじゃ、断崖絶壁がなんじゃ、大山縦走ぐらいでひるんで、岩見の荒武者といえるか、こわくないぞ、こわくないぞ(段々声が弱くなる)なむさん、神よ、もしあら
ば、この十蔵を助けたまえ。さ、あらざれば、我に罰をあたえたまえ」

  音響 急に激しくなる風雨。雷
十蔵 「なんだ、なんだ、なんだ、わいをおちょくってんか。こんなにたのんでるのに、こんな強い風、ふかせよって、あほんだら。雷様に臍、とられるやないけ」

  音響 突風。崖崩れの音 
十蔵 「あっ、落ちる、落ちるやないか。足の下、なにもないやないか。助けて、お願い、手、しびれる(岩に片手をかけて悲鳴をあげる)」

  音響 熊の雄叫び。飛んでくる熊の足音
十蔵 「(騒ぐ)なんだ、なんだ。なぜ熊が出てくるんだ。手かんでどうするの、あっ、ひっぱりあげてくれるの。痛いやないか、骨がちぎれるやないか。あぁーーーー」
  音響 骨が折れる音

4 服部十蔵の館(1年前)

  音楽 荘重な葬送曲
  音響 白装束のすれる音

語り 「服部十蔵の館。切腹をするため白装束になっている十蔵」

十蔵 「返す返すも残念なのは、熊に助けら れるとの醜態を演じたこと。あのまま谷に落ちていれば、かかるいきはじを晒さずにすんだものを。しかし、この失態、大殿に知られた以上、見事腹きってはてるより仕方ない。許せ、梅」

  音響 泣く十蔵の妻、梅
十蔵 「これが辞世の句じゃ。(熊であれば襲いくるものとおもいしを 伯耄の熊は人こゆる熊)」
  音響 さらに強く泣く梅

5 橋本周の屋敷(ふたたび現在)」

  音響 小鳥の囀り。竹藪にふくそよ風
 「その後、服部家はお家、断絶。梅殿はモスクワに移り、熊のミーシャと再婚し、熊女を出産。おお、いやじゃ、いやじゃ、わらわは熊の嫁などになりとうございませぬ。こたびの件、お断り下され(わめく)」
周 「しかし、一度引き受けると言った以上、断る訳にもいくまい(ぼそぼそと)」

 「ふん、子供の高校受験のためとは聞いて呆れる。おおかた江戸表で近頃出没する異国のダンサーとねんごろになるための費用であろうに」
周 「いや、けして、そのようなことは、断じてない(慌てる)」

 「分かりました。ことここに到っては、お断りすることもなりますまい。お引受けなさい。ただし、影武者をたてるのです」
 「なんと、影武者!(声が高く)」

 「お分かりになりませぬか。殿の体力で、伯耄大山の荒行、とても勤まりますまい。ここは下男の忠助を影武者にたて、みごと目的を達するのです」
 「あの体力だけが取り柄の忠助か?あれは、わしのような品格がないではないか」

菊 「いま必要なのは品格ではなく、体力です。すぐに忠助をおよびくだされ」

(以下 その2に続く)

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(19.7.27)街山 おゆみ野の森

 街山(まちやま)という言葉をご存知だろうか。あまり一般的な言葉ではなく、Googleで検索してもよく分からない。
 最初、私もこの言葉を聞いた時に、里山の間違いではなかろうかと思ったくらいだ。

 しかし千葉市においてはかなり知られている言葉で、ここには市民緑地制度というものがあり、「街の周辺部に取り残された緑で、気楽に身近に触れ合える憩いの場」を街山といい、それを「市民の手によりまもり育てていく」制度が、市民緑地制度というのだという。

 実は、このおゆみ野の京成学園前駅のそばに約3haの緑の空間があり、それを街山として育成していく活動がおこなわれている。

おゆみ野の森の街山づくり」といい、この4月15日にオープニングセレモニーが開催され、その後毎月1回、イベントがおこなわれている。第1回のセレモニーには約100名の子供達や父兄が集まった。

 私自身は、「都川源流の自然再生をはかる会」で里山の開発に参加しており、たまたま「おゆみ野の森の街山づくり」の活動日とバッティングしていたため、街山づくりには参加していなかった。
 しかし先日、知り合いのNさんから「おゆみ野の街山である『おゆみ野の森』について、市会議員の福谷章子氏の提案で会議がもたれるので参加しませんか」と誘われたため、会議に出てみた。

 会議においては、将来の「おゆみ野の森」をどのような構想で育成していくかが話しあわれたが、私が個人的に気になったのは、そおした将来構想ではなく、現状の「おゆみ野の森」のメンテナンスの方だった。

 私はこの会議に先立って、「おゆみ野の森」を見てきたが、すでにいくつかの問題が発生していた。

・おゆみ野の森は草刈が十分おこなわれていないため、入り口のつつじが雑草で覆われ、切り開いた道路の壁面につる草が繁茂し、ベンチの回りも雑草で覆われていた。
 また森の中も、一部を除いて雑草が繁茂して、道路側にせり出している。


・樹木に絡まったつるの除去が十分でなく、このままだと木の成長を阻害するので、つるの切断が急がれる。

・「おゆみ野の森」に隣接してよく整備された公園があり、そこには子供達を遊ばせている親子連れ等がいるが、「おゆみ野の森」には、今回を含めて過去2回行っているが、誰にも会わなかった。市民に親しまれているとはいえない。

・「おゆみ野の森」にはゴミの散乱はないが、この森と公園をとりまく道路は清掃をする人がいないらしく、紙くずや空き缶が散乱している周りの環境が悪化している。

これでは、街山として憩いの場になる前に、山が荒れ果ててしまうのではないだろうか。誰かがこの森の最低限のメンテナンスをしなければ、いけないのではなかろうか

とても気になったので、「月1回程度であれば、里山開発チームのメンバーの何人かで、草刈をしましょう」と提案をした。

おゆみ野の森を育てる会」の事務局をしている、新都市ライフのOさんも草刈の必要性を認識しており、8月の末をめどに里山開発チームのメンバーが参加して、草刈をする方向で検討することになった。

おゆみ野の森と隣接している公園の写真を掲載します。
http://picasaweb.google.co.jp/yamazakijirou/19725/photo?authkey=MTPnrtWTaNw#s5091396788248386914

 

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(19.7.25)環境管理センターその後(反対運動の動き)

(19.8.4)追記

おゆみ野の環境を守る会」の正式ホームページが7月28日に立ち上がっております。
正式ホームページを検索したい方は、ここをクリックしてください。

 7月25日以降の経緯については、正式HPに詳しく乗っていますが、基本的には環境管理センターとの話し合いはできず、平行線をたどっています。
 「おゆみ野の環境を守る会」としては、署名活動を行い、おゆみ野住民の支持の元に、環境管理センターとの、交渉をおこなおうとしております。

(19.7.25) 当初の記事

おゆみ野5丁目の近隣商業地域に建設中の「環境管理センター」(汚染物質の化学分析を専門とする会社)の動向については、実はあまり関心がなかった。
 私の住んでいる地域が、この建設地から離れていたせいもあり、近隣の住民のような切迫感がなったからである。
まあ、ここはあまり影響がなさそうだ。それに近隣の人達ががんばっているみたいだし

 しかし先日、知り合いのYさんから「環境管理センターの雨水が都川源流の調節池に流れる」と聞いて考えを改めた。
 実は、都川源流の調節池の水質について、私たち「都川源流の再生をはかる会」が、月2回程度水質調査をすることになっている。

もし試薬等がこぼれて、それが雨水に運ばれて都川源流を汚染したら、これは都川全体の問題になってしまう。せっかく都川全域の環境改善に取り組んでいるのに、ほっておくわけにはいかない

 さっそくYさんに頼んで、環境管理センター建設にかかる資料を見せてもらった。どうやら、会社と自治会の間で、過去2回(4月15日、6月16日)話し合いがおこなわれたが、自治会側の「工事の一時中断」要請を、会社側が拒否(6月27日)したため、話し合いが決裂していることが分かった。このまま行くとセンターの完成は12月に予定されている。

 自治会側は、会社との交渉が決裂したため「おゆみ野の環境を守る会」を7月8日に発足して活動に入っていた。その後の経緯は「こやつ自治会」の資料に記載してある。

 私が最も気にしている廃水処理については、センターの資料では「分析に供した液体の廃検体は、・・・汚染が確認されなかった水は廃水処理後下水道に放流」し、また「分析器具を洗浄した排水は、・・放流基準を遵守して、公共下水道に放流」することになっていた。

雨水が汚染された場合はどうなるのだろう。試薬等がこぼれて雨水に混じることはないのかしら」資料からはこの点については明示がされていない。

 気になったので「都川源流の再生をはかる会」の会長、 I さんに相談した。

 「都川源流の水質検査項目は化学薬品の混入を調べる目的の物ではないから、環境管理センターの影響を見抜く事になるかどうかは不明だけれど、それでも継続検査する事で変化の有無は分かる可能性はありそうですね」 I さんの言葉である。

 実は、再生をはかる会では、森の整備状況から水質検査の開始はもう少し先の予定だったが、今回のことがあったので、早急に始められるよう準備を進める事にした。

環境管理センターの建設現場周辺の写真
http://picasaweb.google.co.jp/yamazakijirou/19718

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(19.7.24)おゆみ野タウン情報

 「おゆみ野タウン情報」をご存意だろうか。おゆみ野を紹介するHP(ホームページ)の草分け的存在で、約18年前に立ち上げられている。
私もしばしばこのHPのお世話になっており,特に「おゆみ野BBS(掲示板)」や「おゆみ野の遺跡」は私が好んで見ている項目だ。

 先日、おゆみ野walkersの「この人に会いたい」というHPに、「おゆみ野タウン情報」のサイト管理者K氏の紹介がされていた。
 詳細は「この人に会いたい」を直接見ていただくこととして、私がこの記事の中で注目したのは、K氏既存のソフトを使用せずに、テキストエディタでHTML言語を記載し,HPを製作しているという内容である。
通常はホームページビルダーのようなソフトを利用してHPを作るので、HTML言語を直接記載する人はほとんどいない。

そんなことをしている人がいるんだ。どんな人か、会って見たいものだ

 望めば機会はすぐにおとずれるものらしい。おゆみ野ウォーカーズのTさんから「HPの作り方について、K氏から教えを請うので、良かったら山崎さんも参加しないか」というメールが入った。

 先日(22日)、Tさんと、おゆみ野ウォーカーズのシステム管理者のYさん、それと私の3人でK氏のお宅に伺った。

 開口一番、K氏は「HPについては、どのような内容を作成するかのコンセプトが大事で、技術的な問題はいかようにもなる」と言われた。
 私はおそるおそる「私は小学校のHPのメンテをしなければならず、コンセプトは先生方が作成するので、技術面での向上が必要なのです」と実情を話した。

 現役時代、私は長い間システム部門の管理者をしていたので(注1)、技術者が「大切なのを何を作るかで、どのように作るかではない」と言うのを何度も聞いていた。この真意は「技術は俺に任せろ。お前はコンセプトを固めろ」と言うことで、裏返しの技術者の自信の現れである。

 K氏は大変な技術者である。18年前に、まだHPのソフトがいきわたらない頃に、HTML言語を独学で習得し、テキストエディタでHPを立ち上げてしまった。
イメージとしては、ライト兄弟が初飛行に成功したころの、パイロットだと思えばよい。性能の悪い飛行機を技術で飛ばす。

 我々の実情を察知して,K氏はパソコンで実演をしてくれた。信じられないことにおゆみ野walkersのHPのテスト画面がすでに作られていた。
 私はHTML言語をみると,それだけで頭が痛くなるのだが、K氏はこの言語をたくみに操作して、実演を見せてくれる。
 おゆみ野ウォーカーズの二人のメンバーは感嘆の声を上げていたが、私は声すらでなかった。

これは質が違う。小学生と大学生が話をしているようなものだ

 正直言って、私にはHTML言語でHPを作成したり,メンテすることはとてもできない。ホームページビルダーの操作で四苦八苦しているくらいだからとても無理だ。

 しかし、それでも今回はいい経験をした。世の中には独学でHTML言語を習得し、さらにHPを製作してそれを軌道に乗せてしまう人がいることを知っただけでも収穫だった。

うーん、世の中は広い」感心してしまった。

(注1)私はシステム部門の管理者だったが、プログラムは研修として一本組んだだけで、しかもまったく動かなかった。私自身は単なる管理者にすぎない。

なお、おゆみ野ウォーカーズの「この人に会いたい」のHPのアドレス以下のとおり。
http://www4.plala.or.jp/oymwalkers/

また、「おゆみ野タウン情報」のHPのアドレスは以下のとおり。
http://oyumino.kanesaka.jp/oyumino/

 

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(19.7.23)失敗記 その8 

 健康に対する過信は、限度を越えるとその後の人生に大きなマイナスの影響を残す。私の中耳炎から真珠腫(しんじゅしゅ)性中耳炎への移行、そして手術の過程はまさにそうしたものだった。

(真珠腫性中耳炎の巻き)

 私は若かった頃、極度に健康に自信があった。どんな風邪でも一日布団に入って寝れば直ったし、そもそもほとんど病気になることはなかった。
若者は病気にならないし、ほっておいても直る

 私が大学1年のとき、愛知県常滑市で水泳部の合宿がおこなわれた。当時私は水泳部で最遅のクラブ員だったが、日夜クイックターンの練習をさせられた。
その過程で中耳炎にかかったらしが、合宿の打ち上げで常滑の海岸で素もぐりをして楽しんだため、さらに症状が悪化した。
数日後、耳垂れがでてそれが固まり外耳をふさいでしまったのである。

 本来なら、その段階で医者に行き、中耳炎の治療をすべきだが、私は過信して医者に行かず、耳掻きで塊をほじくりだした。
中耳炎なんて、こおすれば直る

 当時は気がつかなかったが、無理に塊を掻き出したため、鼓膜に穴が開いてしまったらしい。その後は海で泳ぐたびに、中耳が痛み、耳垂れが外耳をふさいだが、同じように耳掻きで掻きだしていた。

 30歳頃から症状はだんだん悪化し、毎年冬になるとひどい風邪をひくようになった。一週間程度症状が抜けず、中耳は常時痛み、そのたびに耳垂れが外耳にこびりつく症状に悩まされた。
 この頃はさすがに医者に通っていたが、医者の治療は通常の中耳炎の治療をでなかった。
しかし、年々症状は重くなる。
これは、おかしい。なにか重症の耳の病気ではないかしら

 思い余って、順天堂大学の付属病院で検査を受けた。36歳のときである。
これは真珠腫性中耳炎だな、手術をしないとだめですね

 真珠腫性中耳炎の知識のない人のために説明すると、中耳炎のなかで最も悪質な中耳炎だと思えばよい。内耳に真珠腫という、まさに真珠のような塊ができて、それがだんだん大きくなり内耳を壊してしまうほど大きくなる。
内耳のそばには神経の束があるので、ここが圧迫され症状としては常時めまいがし、最終的には死にいたる怖い病気だ。

 幸いにも、当時順天堂大学のエースと言われた助教授が手術を担当してくれて、真珠性中耳炎は全快したのだが、右の耳の聴力は極端に低下し、ほとんど聞こえなくなってしまった。
でも、まあ、左の耳が聞こえるからいいや

 実はこれが過信であることはすぐに分かった。左の耳のも軽い中耳炎があり、当時でも普通の人の80%程度の聴力しかなかったが、年齢を重ねるにしたがって、聴力はますます落ちてきた。

 今では、NHKのニュース以外はまともに聞こえず、それも音量をかなり高くしないと聞こえない。通常の会話でも半分ぐらいしか聞こえないので、想像力で聴力を補っている。日常活動の不便はひどいもので、マクドナルドの女性の早口なんかは、ひばりのさえずりだ。

 こおなったのも、若い時代に健康に過信し、自分勝手な治療で満足したからだと思うと、自業自得といえる。
 しかし耳がまともに聞こえない不便さは想像以上で、これが健康面での私の最大の失敗になっている。

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(19.7.22)扇田小学校のビオトープ

 おゆみ野クリーンクラブのメンバーのWさんが、扇田小学校でビオトープの実践をしていると、会長の I さんから聞いた。エコリーダとしての経験も豊富で、扇田小学校のビオトープには設計の当初の段階からかかわっていると言う。
 さっそくWさんに「具体的にどのようなことをしてるのですか」と聞いてみた。
 「とてもむずかしいの。地区や学校の協力がいまひとつで、今は一人でやっているの
 説明を受けたが、どうもイメージがわかない。これは現場を見てないせいだと気がついて、さっそく扇田小学校にでかけた。

 事務室で「ビオトープの現場を見せてほしい」と依頼したら、非常に怪訝な顔をされた。
そんな物好きな人がいるのかしら、もしかしたらあやしげな人じゃないかしら」という雰囲気だ。セキュリティーが厳しい。

 このままだと追い返されそうだったので、天下の宝刀を抜いた。
私は校長先生の知り合いです」事務員の顔から安堵の様子がありありと見られ、すぐに校長先生を呼んできてくれた。

 実は、扇田小学校の校長先生とは清掃活動中に、毎朝のように顔をあわせている。
朝の登校時に門の前で大声を張り上げている先生だ。しばしば会話も交わしているが、互いに名前は知らなかった。

 校長先生は「やあ、あんたか」という感じで、快くビオトープの現場に案内してくれた。校舎に囲まれた40m四方程度の場所に、小川が流れ、その周りに板で通路ができていた。雰囲気は尾瀬だ。
ビオトープはむずかしくてね。何もしないのが原則なんだが、雑草がはびこってしまう。地区の農家の人からは、草刈をすべきだと言われているのだが・・

 子供たちがタガメをつかまえて校長先生に見せに来た。他の生徒は地中から出たばかりのせみを見せている。私が小学生だった頃の自然にそっくりだ。
この小学校の自然はすばらしい。ビオトープ以外にも、広い菜園があったり、畑まで農家から借りている。私が子供だったとしても、この小学校に入りたいと思う」校長先生の弁だ。

ただ、ビオトープについては、私も明確な方針があるわけではない

 話を聞いて行くうちに、ビオトープの課題がおぼろげながら分かってきた。
ビオトープの思想は、自然をありのままに守っていこうと言うことだが、そうなると学校の一画にまったく人の手が入っていない環境が作られてしまう。これを普通の人が見たら、雑草が生い茂って、草刈もされていない水辺と言うイメージだ。

ここは、山の中じゃないよ。葦やせいたか泡立ち草がはびこって、火事になったらどうするの。おゆみ野では雑草の除去は住民の義務じゃない」そお言われそうだ。

 学校は、このビオトープの思想と、周りに住んでいる住民の感覚の間で、結論を出せずに揺れ動いているという構図だ。
Wさんが言っていた難しさが分かった。都会で人の手が入らない環境を作ると言うことは、かならず周りとの軋轢が発生する。

なるほど、ビオトープは難しい。なっとくした。

 扇田小学校のビオトープの写真を以下に掲載します。
http://picasaweb.google.co.jp/yamazakijirou/FnwFe?authkey=sgjVfJH-1HY

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(19.7.20)筋肉トレーニング

 私は筋肉トレーニングを欠かしたことがない。このトレーニングを意識的におこなうようになったのは、高校の柔道部時代からだが、その後強弱はあるものの、60歳の今日まで45年間にわたって実施していることになる。

 最も、筋肉トレーニングといっても腹筋・背筋・スクワット・腕立て伏せが中心で、それに柔軟性を確保するための前倒屈を加えたものであり、あまり色々な種目をしているわけではない。

 まだ職場に勤めていた頃は、昼休みに職場の屋上でこおしたトレーニングをしていたが、ある時「あなたは、オリンピックの候補選手ですか」と聞かれたときはびっくりした。
傍から見ると、何か特殊な目的を持って、トレーニングに励んでいるように見えるらしい。

 長年筋肉トレーニングをやってみてわかったことだが、筋トレには姿勢を保つだけでなく、思わぬ効果があることを知った。
 隠れた一番の効果は怪我をしないことだと思う。
 私はよくマラソンのレースに出るのだが、特に100Km程度の長距離走になると、後半はふらふらになっている。
足も上がらず、ちょっとした出っ張りに足をとられて転ぶのだが、両手で身体をカバーして、すんでのところで大怪我になることを防いできた。
 上半身の筋力が強いために、手がバッファーになってくれるのだ。

 もちろん手のひらはひどい擦り傷になるが、足や身体の本体を痛めることはほとんどない。こうした時はいつも筋肉に感謝したものだ。
よかった、また筋肉に救われた

 今まで登山やマラソンや、その他のきつい運動をずいぶんやってきたが、骨折や医者にかかるような怪我をまったくしなかったのは、ひとえにこの筋肉のおかげだと思っている。
筋肉は、身体をささえるゴムみたいだ」いつも感心している。

 だから多くの人に、この筋トレをしてもらいたいのだが、実際は年齢があがるにしたがって、する人は少なくなってくる。
 私の元いた職場で50歳を越える頃から、大腿部を骨折して1年程度リハビリをしている人が何人もいたが、「筋トレさえしていれば、手でカバーできたのに」とよく思ったものだ。

 特に女性の場合は骨格が細いこともあって骨折しやすいが、筋トレで確実に防ぐことができるのでおすすめだ。しかもありがたいことに、筋肉は年齢が高くなっても男女の別なく増加するのだから、いつからはじめても効果はある。
ただし、自分の体力の範囲内で継続してするのがポイントで、間違って急激なトレーニングをすると、筋肉が壊れてしまう。
 

 そお言えば四季の道で必ず会う90歳を越えたおばあちゃんがいる。杖を突きながら散歩をしているのだが「自分の足で歩けなくなったらおしまいだから」と懸命に努力している姿には感銘を受ける。

おばあちゃん、がんばってね」いつもの挨拶だ。

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(19.7.19)年齢別マラソンランキング

 年齢別マラソンランキングというのをご存知だろうか。マラソンの愛好家でそこそこの記録を出している人にはなじみだが、一般的にはほとんど知られていない。

 ランナーズという市民ランナーを対象にした雑誌がある。そこが毎年、年齢別、男女別にその年度に開催された、公認のフルマラソンの結果を上位からソートして順位を教えてくれるシステムがあり、それを年齢別マラソンランキングという。

対象の公認レースは50レースで、これによって日本における年齢別の順位が分かるので、なんとか100位以内に入って「自分も、そうか、日本で100番以内なんだ」なんて感動するのが、ランナーのひそかな喜びとなっている。

 実は、私もこの100番以内に入りたいと練習を重ねていたが、若い時には速いランナーがいくらでもいて、一番早かった50歳ごろでも2000番程度だった。
こりゃ、だめだ。世の中は広い

 ところが年齢を重ねるにしたがってだんだんと順位が上がってきて、もう少しがんばれば60歳で100番程度を狙えるところまできた。
 別に速くなったわけではなく、どんどん遅くなっているのだが、走る人が急速に少なくなってきて、走ってさえいれば順位があがるのである。

亀ゴンコーチ、100位で3時間40分程度だから、もう少しがんばれば100番程度にはなれるかもしれないよ
先生は、現在3時間50分で走っていますから、もう少し練習の質を高めれば、ランキング入りは確実です

しかしなぜ、ランキングがあがってきたのだろう
出場者が減っているからです。出場者が減った原因は、ほとんどが怪我や故障です。
だから60歳以上でまだフルマラソンを走れるということは、それだけ体が丈夫だということです。
60歳を越えたら、速く走るというよりも、故障をしないように走りましょう。そおすれば自然と順位はあがります


そうだね、坐骨神経痛に悩まされてはいるが、毎年レースに出場はできているし、今年は超長距離走の練習もしているしね
先生の良いところは、毎日柔軟と腹筋・背筋、それにスクワットを1時間程度おこなって、筋力と柔軟性を維持していることです。
それが故障を防いでいる一番の原因です。今後とも今の生活を継続しなければいけません


じゃ、このまま故障をせずにいけば、日本を代表する老人ランナーになれるかもしれないね。敬老の日に必ず出てくるおじいちゃんだ
あまり楽観的にならないでください。先生は意志力の欠如という弱点を抱えてます。私のメニューに従ったトレーニングを、まじめに実行すればという前提がいります

 亀ゴンからは意志力の欠如を指摘されてしまったが、フルマラソンでも目標を設定することになった。
 今年は11月の筑波マラソン3時間40分で走ろう。

日本で100番です」何とかそお言いたいものだ。

 

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(19.7.18)ものをこぼす

 恥ずかしながら、最近はよくものをこぼす。どうも手先の器用さがなくなり、握力も低下しているみたいだ。

 先日は水虫の薬を床にこぼしてしまった。
実はこの梅雨時期になると、必ず毎年足に水虫が出てくる。これを市販の水虫の薬で抑えているのだが、ふたを開けたとたん、容器が床に落ちて床一面に広がった。

すぐに拭けばよかったのだが、せっかくだからと思って、足を床に乗せて上からこすりつけた。
まあ、こおやっても薬をつけたのと同じだ

 しかし、信じられるだろうか。この薬は非常に強い薬で、床に塗られていたニスを溶かしてしまい、私が強く踏んだ足型が、フローリングの上に白くくっきりと残ってしまった。
まずい、かみさんに見つかると何を言われるかわからない
 
 すぐにフローリング用のワックスを上から何回も塗ったが、足型部分はどのようにしても消えない。
これは、ニスを塗るより仕方なさそうだ。色を黒くしてごまかそう
 物置からニスを探し出して、これを足型部分に塗ったら、こんどはニスが濃すぎて、真っ黒な足型が現れてしまった。

考古学者がこの足跡をみたら
ここで、むかし猿人がダンスをしてたんでしょう。ただしあまり頭の良い猿人ではないですね。ステップが乱れてます」なんて解説しそうだ。

 やればやるほど状況が悪化する。仕方ないので座布団をうえからそっとかけておいた。
これで数日はみつかるまい。その間に対策を考えよう

 しかし悪事は千里を走るらしい。すぐにかみさんに見つかり問い詰められた。私は釈明ように、9000円で購入したジャンボ宝くじの当たり券3900円を差し出して「これで許してもらえないか」と許しを請うた。

まったく、パパさんはこの頃何でもこぼす。コーヒーの粉をこぼしたり、お湯をこぼしたり、今度は水虫の薬!! まったくチッコたらしの亀ゴンとおんなじだ
 散々な評価だったが、3900円がきいて、どうにか矛を収めてくれた。

亀ゴン、かみさんから亀ゴンと同じだと言われてしまったよ
先生、それは心外です。私は好んでチッコをたれているのではありません。先生がトイレを用意してくれないので、仕方なしにこの箱の中にしているのです
 どうも亀ゴン以下らしい。

 今は、足型の上に世界地図の大型の本を載せて隠している。まったく寝小便をした子供のようになってしまった。

 

 

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(19.7.17)小学校の評議員

 私がスクールボランティアをしているK小学校の校長先生から「学校の評議員になってくれませんか」と依頼を受けた。
 私は人から頼まれると「いや」とはいえない性格だから、「ええ、いいですよ」と答えたものの、少し心配になって校長先生に聞いてみた。

「ところで評議員て,何をするのですか
学校のいろいろな問題の相談に乗っていただければいいのです
はあ

 正直言って何をするのか分からなかったが、快く引き受けることにした。
校長先生の依頼だ、断るわけにはいかん

 家に帰ってさっそくGoogleで、「学校評議員」を検索してみた。
最近は、分からないことがあると何でもGoogleだ。辞書や辞典など使用したことがない。広辞苑などは、当の昔に足台になってしまった。

学校評議員は、校長が保護者や地域の方々の意見を幅広く聞くためのもの。
 これにより、地域や社会に開かれた学校づくりを一層推進し、学校が家庭や地域と連携しながら、特色ある教育活動を展開することができる

 うぅーん、分かったような、分からないような文書だ。学校が地域や社会と連携して教育活動をしたいということは分かったが、なぜそんなことをわざわざ強調しなければならないかが分からなかった。
当たり前のことではないのだろうか。それとも学校は地域と社会から隔絶されていたのだろうか.。それに特色ある教育活動とは何なのだろう

 先日、第一回目の学校評議員会が開催され、ようやく評議員の役割が分かってきた。
 地域や社会の意見を学校に具申したり、学校と地域が一緒になってお祭りをしたりすること以外に、文書には明示されていないが非常に重要な役割が、この学校評議員に課せられているようだ。

 実は昨今、日本各地の教育現場で、フケイからのクレームに対し、学校が直接対応できかねる案件が増大しているらしい。いわゆるクレーマーみたいな人がいて、教師が直接この対応をしていると、クラスの指導もできないほど忙殺されてしまい、場合によっては教育現場が崩壊するような案件である。

 そおいえば先日NHKのテレビを見ていたら、「教育現場で裁判沙汰になったり、金銭を要求されたりすることが後を絶たず、教師保険の創設が検討されている」との報道があった。

 このような場合、教師とフケイの間に立って、客観的立場で問題を解決し、教育現場を混乱させない役割を担う組織が必要で、それが学校評議会ということらしい。
  平成12年以降、各県で「学校評議会」が創設されている。

なるほど、バッファーとしての役割か」ようやく納得した。

 納得はしたけれど、実際にそのような現場に遭遇したら、きっとまた胃がしくしくと痛むだろう。
うぅーん、これは思ったより大変そうだ」正直な感想である。
 

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(19.7.16)簡易投票ツール

 ココログ簡易投票ツールを使用してみて,実に不思議な気持ちに陥っている。一言で言って、投票する人が少ないのだ。
 実は、このブログの日次ベースの読者は50名程度で、そのうち固定的に見てくれる読者が30名程度、いわゆる一見客が20名程度なのだが、投票をしてくれる人は10名程度になっている。

 私の当初の予想だと、固定的な読者のほとんどが投票してくれるのではないかと思っていたが、まったく予想が外れた。
 原因分析をしてみると、物理的なものと精神的なものがあるようだ

 物理的な原因はまったく明白で、OS等が簡易投票ツールに適用しないシステム環境を使用している場合、このツールは利用できない。
 具体的にはOSブラウザ言語に制約ががあって、OSならばWindowsXP、ブラウザならはInternet Explorer6.0、言語ならばFlash Plyer9.0の指定があり、それ以外の環境では使用できない(Macの場合にも指定がある)。

 単純に言えば画面上に投票文字が現れていない環境では使用ができていない。問題なのはそれがどのくらいあるかで、それをココログのログ解析で見てみた。
 それによると50の抽出データで、使用可が33ケース、使用不可が17ケースだった。だから、このブログをみてくれる人が50人いたとしても、投票できる人は33人と言うことになる

 このうち固定的読者が6割でその人達が投票すると仮定すると約20名程度の人が投票をしてもよさそうだが、実際は10名程度に留まっている。
残りの10名はどのような人なのだろうか」考えてしまった。

 この10名の人には物理的理由はないのだから、精神的理由と言うことになる。
 私の想像する精神的理由の一つは「面白くない」とか「参考にならない」とか否定的な回答をするのが忍びなくて、あえて投票しない場合である。いわゆる「武士の情け」とか「惻隠の情」と言うことになる。

せっかく本人が気持ちよく書いてるのに、あえて『くだらない』なんていえないわ

 もう一つは、めんどくさくて投票しない場合で、選挙の棄権票と同じようなものだと思えばよい。もし選挙と同じだと仮定すれば、約30%は棄権するので、6名程度が単純な棄権票、4名程度が惻隠の情となる。

 とりあえず、簡易投票ツールの結果分析をこのようにしてみた。もし、惻隠の情にかられて「否定的回答」を留保している方があれば、あまり遠慮せずに投票をしていただいてかまわない。
また,棄権をしている方もできるだけ投票をしてほしい。これは選挙の棄権防止キャンペーンと同じ趣旨である。

 その結果をみて、本当に落ち込んだ場合は「お願いだから情けをかけて」と依頼するので、それまではおおらかに投票してください。

 

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