(23.3.3) ブログの引越しのお知らせ
お知らせ
この「おゆみ野四季の道」は2GBの容量をオーバーしましたので、3月3日以降の記事は、新たに作った「おゆみ野四季の道 新」に移設することにしました。
「おゆみ野四季の道 新」(リンクがはっています)をクリックしてください。
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私はこうした選手がことのほか好きだ。2月27日に行われた東京マラソンで2時間8分37秒で3位に入賞し、この8月に行われる世界選手権マラソン代表に内定した川内優輝選手(23歳)のことである。
私が特にすばらしいと思うのは、川内選手が実業団選手でもプロのランナーでもなくアマチュアの市民ランナーだからだ。
日本ではトップクラスの選手はほとんどが実業団に所属している。
通常実業団に所属すると仕事は午前中いっぱいで午後からは練習というパターンが多い。また試合には優先的に出られるので仕事面で煩わされることはない。
練習場も合宿所も整備され、専属のコーチがいて指導をし、また専属の栄養士や情報の分析士などもいて、ほとんどプロの選手と変わりがない。
注)最近は高橋尚子選手のようにプロの選手も多くなってきている。プロになればメーカー等と広告宣伝契約が自由にできる。
これに対して川内選手は埼玉県の県庁職員であり、県立春日部高校の定時制の事務職をしている。
川内選手がこの職場を選択したのは、仕事が午後1時半から9時半までで、午前中にトレーニングが可能な環境だからだろう。
実業団に所属せずかつ十分な練習時間を取ろうとするとどうしてもこうした職場を選択することになる。
注)私も昔登山に熱中していた時は、学校の教師になれば良かったと悔やんだものだ。夏休みをフルに利用して海外の山にも登りたかったからだ。
そうした環境の中で今回川内選手が出した2時間8分37秒と言うタイムは驚異的なタイムだ。これは全盛時代の瀬古選手や中山選手や、宋茂選手に匹敵する。
実は日本の男子マラソンが低迷を始めて久しい。高岡選手が2時間6分16秒をだしたのが2002年で、それ以降日本男子マラソンは急激な低迷期に入った。
08年12月の福岡国際を最後に2時間10分をきる選手もおらず、まったく世界には歯が立たなくなっていた。なにしろアフリカのケニアやエチオピアには2時間3分台から5分台の選手がゴロゴロいるのだから、「もう日本はダメだ。男子マラソンは諦めよう」と指導者も選手も思っていた矢先の川内選手の快挙だ。
もっともこの8分台では先頭集団に途中まではついていけるというレベルで、主要な大会で優勝を狙うには5分台がコンスタントに出せる実力がないと難しい。
それでも最近のオリンピックや世界選手権のようにレースの早い段階から日本選手が置いていかれるようなことはなさそうだという希望を与えてくれる。
「よかった、これでまたマラソン中継を見る気持ちがわいてきた」
川内選手は「埼玉のロッキー」だ。自分ですべての練習計画を立て、誰の指導も受けず、走る環境も自分で選択し、そして瀬古や中山や宋茂選手並の選手になった。
実業団の選手が意気消沈している間に、埼玉のロッキーが徒手空拳で這い上がってきた。
世界選手権は8月の夏の韓国だ。夏場でかなりきついが埼玉のロッキーに期待したい。
2004年、韓国で起こった携帯電話のメール機能を使用した不正入試事件がとうとう日本に上陸した。
日本ではYahooの知恵袋と言う掲示板を使用しての事件だが、aicezukiというバンドルネームで京都大学の数学6問と英語2問について知恵袋に回答を求め、実際に試験時間中にそのいくつかの回答がなされたという。
意外だったのは掲示板を利用していたことで、通常はこうした場合は知恵袋のような掲示板を使用せず、特定の協力者を置いて一対一で回答を入手するのだが、aicezuki氏にはそういう仲間がいなかったのかも知れない。
注)IT専門家の話として、数学のような問題を携帯で送るのは大変だから、写真にとって外部の人物に送り、それを知恵袋に掲載したのではないかと説明がされていた。この場合の外部の協力者は自分が回答していないので数学や英語が得意でなかったことになる。
京都大学の他にも同志社大学や立教大学や早稲田大学でaicezukiと言うバンドル名で知恵袋に回答を求めていたそうだから、この人は相当手広くこの種の不正に関わっていた。
京都大学は京都府警に被害届を出して犯人逮捕に乗り出したので、近日中には犯人像が明らかになると思われるが、問題はこの不正入試事件が拡大する可能性あることである。
ゴキブリが台所に一匹いれば100匹のゴキブリが生息しているといわれ、この種の不正がかなり広範に行なわれていた可能性が高い。
韓国でも芋づる式に逮捕者が出て、その結果韓国では、① 試験場への携帯電話の持ち込み禁止、② 金属探知機による携帯電話等の電子機器のチェック、がされるようになった。
日本でもこの種の不正が次々に明らかになれば、上記以外にコンサートホールで行っているような携帯電話の送受信ができないようにする措置が必要になってくるかも知れない。
日本の入試制度は縁故採用が多い企業の入社試験と異なり、非常に公平だと評価されていたのだから、その根底を揺るがす事件で入試関係者は衝撃を受けている。
しかし一方で現在の入試試験のようにもっぱら知識の量と理解の確かさだけを問う試験問題が適切かどうかという基本的問題がある。
「時代遅れではないか」と言う疑問だ。
たとえば私が小学生の頃は計算能力と漢字の記憶が最重要事項だったが、今では計算はすべて計算器で行っており、また漢字についてはワープロ機能を使って選択しているだけだから、実際にそうした能力は生きるうえでは最重要とはいえない。
また知識についてもGoogleで検索すればすぐにピンポイントで出てくるし、Wikipediaを使えば分からないことがない。
私のような記憶力の弱いものでも毎日ブログを書けるが、それは情報をほとんどGoogleで検索しており、自分自身ですべてのことを知っている必要はないからだ。
注)私は子供の頃からひどく記憶力が劣っており、人の名前や場所のような名詞はたちどころに忘れてしまう。
今最も求められるのは知識ではなく知恵で、数有る情報の中でガセネタと本物の情報を分別し、それを総合して自らの知恵とする能力といえる。
そうした意味では英語の英訳については自分でするよりはるかに能力の有る人が即座にしてくれる方が効率的だし、数学の問題も解けなくても解いた内容を理解できるなら、自分でするより他人にしてもらうほうが早い。
しかもネットワークによってそれを瞬時にできる環境が出現しているのだから、英訳専門サイトや数学専門サイトのようなものがあれば、実務では支障はないといえる。
今では誰でも携帯電話やスマートフォンやパソコンを持っており、自分だけで苦労して記憶したり知識を身につける必要はない社会になったといえる。
注)もちろんネットワークの利用ができない人もいるが、そうした人は自分の頭の中にデータベースを構築する必要がある。現在はネットワーク環境を使うほうが便利か、自分ですべての知識を持つのが便利かの選択の時代といえる。
こうしたネットワークを駆使する能力と、最低限入手した情報を理解できる能力と、それを統合する知恵と言うのが現在社会の必須能力だから、大学入試もそうした社会の変化に適応せざる得ない時代に来たのではなかろうか。
外部から簡単に回答が入手できるような試験問題を出しても、生きるうえの知恵としては無駄だと私には思われる。
今回(26日)の追跡 A to Zは「メガリークの闇を追え」だった。
メガリークとは大量の情報流失のことを言う。
かつては情報流失と言っても紙情報がほとんどだったので、流失を知られないためには小型カメラ等で写真を撮っていた。
初期の情報スパイの常套手段だったが盗まれる情報はさほど多くない。
その後パソコンが導入されてFDが使用されるようになると、このFDに情報を落として持ち出していたが、この場合の情報量は1MBで、せいぜい1万人程度の個人情報の量だった。
ところが最近の記憶装置の小型化とネットワークの普及により、情報は大量にしかも瞬時に流失してしまうために企業や個人に多大な損失を与えているという。
注)たとえばUSBメモリーは、私が使用しているのは4GMだからFDの4000枚分に相当する。
この番組では2つの事例を取り上げていたが、一つは個人情報を派遣職員により流失されたベンチャー企業の例、もう一つは電気自動車の最先端技術をアジアの有る大手メーカーに盗まれた日本の大企業の例だった。
前者は派遣社員が車検代や生活費ほしさに、ベンチャー企業の個人情報を名簿業者に50万円で売ったのだが、それによりこの企業は信用問題が発生していた。
社長が涙ながらに訴えていたところによると、約2億円の損失が発生し企業の存続が危ぶまれるような状態になっていた。
後者の事例はもっと深刻で、日本のトップレベルの企業秘密をアジアの大企業(おそらく中国か韓国の企業)がプロジェクトリーダーごと引き抜いてしまったという事例だった。
そして日本で特許を申請する前にこのアジアの企業が特許申請をしたので、それまでの日本企業の努力が水泡に帰してしまったという話だ。
このアジアの企業はほしい技術があると、日本の大企業の技術者にターゲットを定め、今までの2倍の年俸を約束する見返りに、企業のトップシークレットを盗ませるという。
そしてこのアジアの企業で働いている間は日本名ではなく中国人名(または韓国人名)を使用するように強要されるのだが、これは日本人が働いていないようにカモフラージュするためだという。
こうした情報漏えいが頻繁に起こるので企業側も防衛に立ち上がっており、デジタル探偵と言う調査会社に調査を依頼していた。
この調査会社は休日に怪しいと思われる従業員のパソコンのハードディスクの内容を秘密裏に解析していた。
もちろん情報漏洩者は問題のメールや情報を抹消しているのだが、これをソフトで復元して、犯罪の証拠をつかむのだという。
注)メール等の抹消の操作をしても、単に抹消のフラグが立つだけで、情報そのものは残っている。また上書きされた場合も最近では上書き前の情報も復元できる技術が開発されている。
こうして上記のベンチャー企業の場合も、大企業の場合も情報漏洩者を特定できたのだが、両者とも犯人は逃げ出してしまって、法的に訴追することができないのだという。
注)通常窃盗罪は物を盗む場合に適用され、情報の場合は対象外。そのため不正競争防止法違反で摘発することになるが、この場合は盗まれた企業側が、厳格なセキュリティーを講じていたことと、盗まれた情報が機密情報であることを証明しなければならない。
そのため摘発が非常に難しく昨年度はたった1件だったという。
法的な訴追がほとんど不可能なため、企業はセキュリティー強化に走っており、職員のパソコンをセキュリティー会社がネットで常時監視したり、企業内部にネットワーク監視員を置いて従業員のパソコンを監視したりしている。
確かにこうした措置はしないよりははるかに効果的で、簡単に情報漏えいをすることは不可能になるが、しかし絶対に漏洩がないとの保障にはならない。
そして前者の個人情報については、個人情報保護法のあまりの厳格さに嫌気をさした人々が、フェイスブックのようなSNSで情報公開する動きがあり、そのうちに個人情報保護と言う概念が実質的に崩れていく可能性が高い。
また後者の企業情報については、戦後の日本経済の飛躍的発展はアメリカ企業からノウハウを盗んで成長したもので、今日本が当時のアメリカの立場に立たされたに過ぎない。
また韓国のサムスンや中国のハイアールにしても今は盗む立場だが、トップランナーになれば今度は盗まれる立場になって、現在の日本企業と同じように情報漏洩に悩むはずだ。
知識は基本的に盗まれるものだからある意味ではいたし方がないところがある。
しかし個別企業にとっては大変な損失だから、日本企業としてはできるだけのセキュリティー対策を採ることと、アメリカに倣って知的財産権の保護のために政府が積極的に乗り出さないかぎり、企業の不幸は続きそうだ。
おゆみ野の健脚ばかりを集めた歩く会を昨年から発足させている。
会員条件はとっても厳しく、「50歳以上で何があっても泣き言を言わないこと」が入会条件だ。
幹事は菩薩姉さんで、足切りが厳しく会員はなかなか増えないが、メンバーは強豪ぞろいだ。
四季の道の散歩おじさんは散歩が趣味で一年中歩き回っている。放っておくと一周6.5kmの四季の道を止めどもなく歩くので、私が時間を見計らって「今日はこの程度で止めましょう」とレフリーストップをかけなければならない。
菩薩姉さんも大変なものだ。日記に毎日歩いた距離を記載していて、とうとう地球を一周してしまった。これでもまだまだで、死ぬまでに月まで歩くのだという。月までの距離がどのくらいかは知らないが、その意気や良しだ。
菩薩姉さんの友達のケヤキ姉さんは、鎌取駅の北側のまだ自然が残っている小道をすべて知っている。時間があれば小道ばかり歩くので、あるとき小川にはまってしまった。しかし平然とその小川の中を歩いていたのだからすごい。
私がこの会に入ったのはサンチャゴ巡礼や北海道一周などをしているのを菩薩姉さんが知って入会許可を与えてくれたからだ。
「まあ、山崎君なら一緒に歩けるでしょう、入れてあげるわ」
私はこの名誉有る歩く会に参加できることになって、喜びのあまり号泣してしまった。
そして今回新たにメンバー参加を許されたのは、パイロットおじさんである。パイロットおじさんは長い間空の上ばかりいたのであるとき考えた。
「人間はやはり空の上でなく地上を二本足で歩くのが正常ではなかろうか」
会社の上司に「これからの飛行機は空を飛ばずに二本足で歩いたほうがいいのじゃないか」と言ったら「君はどうやら地上職が向いているようだね」といわれてパイロットを首になった。
パイロットおじさんは漸く空から解放され、その後は歩くことばかりを考えている。
こうして歩く会の5人衆が集まって、今回は長柄ダムを一周することにした。
このダムがある湖の名前は市津湖(しずこ)と言う。名前だけ聞くと女性の名前と間違う。
この市津湖は湖の沿って遊歩道が整備されているので一周できるはずなのだが、いままで歩いたことがなかった。
「今回は市津湖一周をしよう。距離は14km~15km程度です」私が提案した。
「山崎君、そんなやわな計画では歩く会の名折れよ」菩薩姉さんが異議を唱えた。菩薩姉さんは24時間歩きとか、100km走破なんてのが好きで、この程度の距離だとご不満だ。
「菩薩姉さん、ここは湖に沿った場所と、湖から山の中に入り込む場所があって、それなりにタフなコースみたいですよ。それに油断するとコースアウトする場所もあるみたいだし・・・・」
ようやく菩薩姉さんの許可を取って長柄ダムに行くことになった。
「ただしこの程度の距離では、食料と水は一切持ってきてはいけない」と菩薩姉さんが言う。
この日(25日)は2月とは思えない陽気で、まるで5月の気温でぽかぽか歩きになった。
汗が吹き出てのどが渇く。私がへたばったのを見て散歩おじさんが、(菩薩姉さんがトイレに行っている間に)、そっとおにぎりと水を飲ませてくれた。
持つものは友だ。
見るとケヤキ姉さんもパイロットおじさんも適度に食料を持ってきて、そっと食べている。
まったく何も食べず先頭に立って歩いたのはいつものように菩薩姉さんだけで、「帰ったらベルディ(近くのスポーツセンター)で一泳ぎしなくちゃ、油断すると豚のような身体になるからね」と言っていた。
菩薩姉さんは後ろから見ると砲丸投げの選手のように逞しい。
私はこの会がとても好きなのだが、菩薩姉さんのスパルタ訓練には毎回あごがあがってしまう。
世界は今カダフィ・ショックが発生するか否かで固唾を呑んでいる。リーマン・ショックから2年半、ようやく立ち直りつつある世界経済がふたたび泥沼に突入する直前まで来た。
リビアは世界第8位の石油大国で、世界の全生産量の3.3%を生産しており、ほとんどが西欧に輸出されているが、すでに半分の輸出が停止してしまったようだ。
ドイツ・イタリア・フランス・スペインといった外国資本の石油関連企業が従業員の安全確保のために引き上げを行っているからで、港湾も閉鎖が続いている。
リビアはアラブでも一二の強権国家だったから、「まさかリビアにアラブ革命が及ぶことはないだろう」と思われていたが、北東部の元王族の支配が強固だったベンガジから火の手が上がった。
カダフィ大佐がここを仇敵の住んでいた場所として、徹底的に弾圧してきたからで、ベンガジ市民はカダフィ大佐を憎んでおり、しかもエジプトに近い。
現在リビアは内戦状態になっており、国軍の寝返りもあり反政府軍は東と西から首都トリポリに迫っている。
これがエジプトやチュニジアであれば、このあたりで大統領が退陣して暫定政権ができるところだが、リビアはそうはなっていない。
「リビアは俺の国だ。俺はリビアを離れずここで死ぬ。俺はムバラクやベンアリのような腰抜けでない」カダフィ大佐は口角泡を飛ばしてそう演説した。
カダフィ大佐を支持しているのは治安部隊とまだ寝返っていない国軍そして傭兵部隊だ。
カダフィ大佐はチュニジアやエジプトでアラブ革命の火の手が上がると、アフリカのマリやモーリタニアやチュニジアやギニア等から大量の傭兵を雇い入れた。治安部隊だけでは対応が難しいと判断したところはさすがだ。
日当は3000ドルと言うから約24万円で、1ヶ月に700万円の高給だ。
カダフィ大佐が傭兵を雇ったのは軍隊はエジプトやチュニジアのように寝返る可能性が高く、治安部隊だけでは大規模な反乱には対応できないと判断したからだ。
それに何より住民を無差別に殺害できるのはならず者集団の傭兵しかいない。
すでに政府発表で300人、アラビアの衛星放送は約800人、ベンガジの反政府組織は2000人の死者が出たと発表している。
世界経済にとっての問題はリビア内戦が石油価格に飛び火し始めたことだ。
リビアは首都トリポリをめぐって内戦状態になているが、それが長期間に及ぶと世界石油事情は完全に逼迫する。
価格はリーマン・ショック前の約150ドルに急激に近づき、それを突破する可能性が出てきた。
市場では220ドルの可能性があると見ている。
石油は産業の米だ。この上昇によりガソリン価格だけでなく、電力・ガス・石油製品が急激に上昇し始めた。
すでに穀物価格はリーマンショック前の水準に達しているのだから、これで石油製品が高騰すれば世界はインフレの波に飲み込まれる。
先進国経済は青息吐息で新興国経済だけが頼りだったのに、ようやく立ち直りを見せていた世界経済が急激に縮小し、リーマン・ショックの再現になりかねない。
市場は敏感に株式市場から資金を引き上げ、石油と金、それに相対的に安全通貨と見られる円、および信頼性の高い債券にシフトしている。
リーマン・ショック前夜とまったく同じ状況だ。
カダフィ大佐ががんばればがんばるほど、カダフィ・ショックの確率は高くなる。
カダフィ・ショックは来るだろうか。そうならないことを願うが来れば世界経済はリーマン・ショック後の2番底を経験することになるだろう。
(24.1.16追加) 石油や金価格は一時期高騰し、11年4月石油は110ドルまで上昇したがそれ以上はあがらなかった。これは過去の価格上昇時の教訓と世界経済自体が失速していたので市場がパニックにならなかったためと思われる。
ここに来て世界中で紛争が激化してきた。東南アジア諸国は決して好戦的な国ではないが、タイとカンボジアの国境で両国の陸軍が戦闘を行っている。
これまでの死者は8人とアラブ革命に比較すると多くはないものの、微笑みの国タイがカンボジアを挑発しているのはただ事ではない。
国境紛争が始まったのはここに世界遺産のプレアビヒア寺院の遺跡があるからで、その領有権をめぐって両国が対峙している。
ユネスコの世界遺産にも登録されている由緒正しい遺跡だが、これをタイの保守派(日本のイメージでは右翼)がタイの固有の遺跡だと主張し始めた。
プレアビヒアはカンボジア領土内にあり、国際司法裁判所のお墨付きもあるので、国際世論は圧倒的にカンボジアに同情的だ。
それでもタイの保守派がここを自国の領土と主張するのは古い歴史的経緯がある。
プレアビヒア寺院はアンコール王朝時代の9世紀から約300年かけて建設された寺院だが、その後アンコール王朝は現在のタイに本拠を置くアユタヤ王朝に15世紀に征服された。
そしてその状態が19世紀まで続いたが、フランスがインドシナに植民地を広げタイにも触手を伸ばしたので、タイは現在のカンボジア領をフランスに割譲することで植民地化を免れた。
「おねがいだ、カンボジアをあげるからタイには手を出さないで」
問題はそのとき国境線を確定したのだが、国境画定のための測量はフランスに全面的に依頼しタイはそれをただ承認しただけだった。
当時はタイには測量技術がなかったからだが、1904年のことである。
その30年後タイも測量技術を習得して測量をしてみたらフランスにだまされプレアビヒアはカンボジア領に併合されたと気がついた(とタイ保守派は言う)。
「ひどいじゃないか、プレアビヒアはタイのものだ」
しかし国境画定後30年も過ぎて、国際的にも承認されているのでクレームは遅すぎる。
タイとカンボジアの関係は日本と朝鮮の関係に似ている。タイは数百年間に渡りカンボジアを支配していたので、タイ人はカンボジア人を馬鹿にする傾向がある。一方カンボジアはそうしたタイに強い反発を感じている。
さらにことが面倒になってきたのはタイのアピシット政権がタイ保守派に支持されて政権を維持しているため、アピシット首相としてはこの保守派の意向を無視するわけにいかない。
注)アピシット政権は日本的イメージでは自民党政権で、企業家や都市の中間層や富裕層、それにタイ保守派(右翼)により支持されている。
昨年12月タイ保守派(PAD)のメンバーら7人がプレアビヒアに密入国して、「これはタイのものだ」と騒いだためカンボジア軍に拘束されたのだが、これを不服としてタイが正規軍を投入したため、正規軍同士の戦闘になってしまった。
どう見てもタイのほうが強引に侵略しているのだが、国力はタイのほうが圧倒的に上でカンボジアは実力ではかなわない。
カンボジアは国連やアセアンに助けを求めているが果たしてこの勝負どうなることだろうか?
今年も憂鬱な確定申告の季節がやってきた。申告期間は2月16日から3月15日までの1ヶ月間だが、何とも気乗りがしない。
私の場合は完全な年金生活者で、年金以外は何もないのだから作業は至って簡単なのだが、それでもグズグズと作業を伸ばしてきた。
私はルーチンワークにはまったく強いのだが、1年に1回しか発生しない確定申告のような作業にめっぽう弱い。一番の原因は作業手順をすっかり忘れているので思い出すのに時間がかかるからだ。
仕方なく国税庁自慢の「確定申告書作成コーナー」画面を呼び出す。
「申告書の作成を開始」をクリックすると、今年もあの魔か不可思議な画面が出てくる。
「ウィンドウは表示中のWebページにより、閉じられようとしています。このウィンドウを閉じますか」
この画面はほとんどバグと言っていいようなひどい画面だ。おそらくIE(インターネット・エックスプローラ)を使用したことによるシステム画面だが、こんな画面を平気で残しているシステム担当者のセンスを疑う。
それでも私はなれているので「はい」を選択する。
注)普通の常識を持った人は必ず「いいえ」を選ぶ。せっかく開いた画面が閉じられたら大変だと思うからだ。しかしそれはこの場合は間違い。
なお私が「確定申告書コーナー」を呼び出すのはパソコンでデータを打ち込み、紙で出力して郵送するためで、電子システム(eーTax)を利用するためではない。
国税庁はこのシステムeーTaxに約500億円の巨費を投じ、さらに年間80億円の維持費をかけて15年度申告分から運営してきたが、当初はなかなか利用が進まなかった。
そのため「最もひどい税金の無駄遣いは国税庁だ」なんて批評されたものだから意地になって利用拡大運動に取り組んだ。
「e-Tax利用者には5000円税額控除する」としたり「e-Taxでの申告では添付書類の提出は必要ない」としたニンジンで、ようやく拡大が進み21年度分の所得税申告の40%がe-Taxを利用するようになった。
注)当初は税務署の職員が書類で送られてきた税務申告書を税務署に設置してあるe-Tax端末からさらに打ち込んで、利用率の数字の底上げをしていた。
私の知り合いのGoogleおじさんによると、このeーTaxでの申請はとっても便利で還付金も早く受け取れるので「山崎さんも利用しなさい」と言う。
しかし私は区役所に行って電子証明書の発行してもらい、家電店でそれを読むためのICカードリーダーを購入しなければならないので、「そんなことをするくらいなら、打ち込んだ内容を印刷して税務署に送ったほうが楽だ」と思ってしまう。
なにしろ電子証明書が単に税務申告だけにしか利用できないので、わざわざ利用しようとするインセンティブが沸かない。
もしこの電子証明書が税務申告以外に年金やパスポートや運転免許書や、あらゆるものの証明書になるのなら喜んで使用するだろう。
日本で役所のシステムの導入がうまく行かない原因は、利用者の利益を考えたトータルとしての設計でなく、非常に狭い範囲での利用に限定して開発されるからだと思う。
これを「各省庁システムのガラパゴス化」と言うのだが、それが15年から懸命に取り組んでもまだ40%の利用率の原因だ。
システム経費は100%利用した場合にようやく償却できるように設計されているので、ひどい赤字だ。
現状では手書き郵送と、パソコン出力郵送(これを私は利用)とeーTaxが混在しているので、せっかくのシステムが宝の持ち腐れになっている。
今回のNHKスペシャル 「ネットが革命を起こした」は見ごたえの有る番組だった。デモが始まりムバラク政権が崩壊するまでのほぼ1ヶ月間にわたり、(体制側でなく)若者側からこのネットの攻防を追っていたのだから、「秘録 エジプト革命」といってもいいような番組だ。
そしてこのネット革命で中心的な役割を演じたのがフェイスブックというシステムだったのだが、私が最も驚いたのはなぜ数あるシステムの中でフェイスブックだったかと言うことだ。
もともとフェイスブックはハーバード大学の学生が学生間の出会い系サイトとして開発したもので、大学にあった学生名簿と写真を黙って公開し、「おれ、この子が好みだ」なんて投票をしていたシステムだ。
このフェイスブックがそれまでの出会い系サイトと異なるところは実名で登録し、かつ情報が暗号化されて送信されるので途中で内容が把握できないという特徴だった。
この実名性と暗号化技術が世の中の需要に完全にマッチした。
現在社会は個人情報保護で凝り固まっており、そのために電話や住所や年齢が不明になってコミュニティーが希薄化してしまった。
それに異議を唱えたのがフェイスブックで、親しい間柄には情報を公開するという逆手でコミュニティーの再構築を図ろうとした。
私が使用しているグループメールとよく似ているが映像等も共有化できるので汎用性が高い。
さらに暗号化して情報が送られるということは、意外にも独裁政権にとって非常な脅威になった。ブログやホームページやメールは通常暗号化されていないから、プロバイダーのコンピュータを経由するときにフィルタリングをかけて情報を遮断できる。
中国を始めとする独裁国家はこのようにして情報を遮断してきたが、フェイスブックは内容が暗号化されて不明なのでフィルタリングにかからない。
どうしても遮断したければインターネットそのものを止めるより仕方がないのだが、一方で政府がインターネットを通信手段として使用していた場合は、自分で自分の首を絞めてしまう。
さらに政府関係の情報だけを通過させたとしても成りすましの技術で政府関係者を装えばフィルタリングを通過することができる。
ネット社会では情報を遮断することが並大抵のことではないのだ。
今回のチュニジア革命の発端は、野菜売りの青年が無許可だと警察から殴られ、罰金を請求されたので思い余って自殺をしたのだが、これに怒った住民が役所に抗議をしている場面がフェイスブックで流れたことから始まる。
この画面を見た人がさらに自分の友達が参加しているグループに情報を発信し、瞬く間にチュニジアに知れ渡った。
チュニジアはアフリカで最もインターネット普及率が高い。
ベンアリ政権はこれに対抗して治安部隊を派遣して弾圧を繰りかえしたが、その模様がふたたびフェイスブックにながれ、抗議行動がさらに広がってしまった。
ベンアリ政権はブログやホームページやメールの検閲はできたがフェイスブックの検閲ができなかったからだ。
エジプトのムバラク政権の場合はもう少し技術的に進歩していて、フェイスブックを遮断できないことが分かると情報スパイをフェイスブックのグループのメンバーとしてシステムに送り込み、活動家のIDとパスワードを盗んでいた。
そして成りすまして誤報をわざと流したり、活動家のIDを抹消していたりしていた。
これに対し活動家の方は唯一の通信手段が遮断されては大変なので、すぐに新しいIDを立ち上げて通信を再開するのだが、エジプト秘密警察と反体制派の活動家とのこのフェイスブックをめぐる戦いは、ハリウッドの映画そのものだったようだ。
闘いは最後は活動家が勝利したのだが、秘密警察の元情報将校が「ムバラクはフェイスブックが脅威であることは知っていたが、本当の脅威は認識していなかった。実際は活動家との戦いには300万程度の情報スパイが必要だった」と言っていた。
300万人なんていえば中国の軍隊の数に等しいのだから、到底秘密警察が勝てるわけがない。
最後はインターネットを遮断してみたものの、グーグルが電話回線での通信網を提供したり、またエジプト政府もインターネットを利用できなくなってテンヤワンヤになり、5日でこの遮断措置は停止した。
こうしてチュニジアのベンアリ政権もエジプトのムバラク政権も崩壊したのだが、これはインターネットとフェイスブックがあるところではどこでも独裁政権が崩壊する可能性を意味している。
NHKはこれをネット革命となずけていたが、中国のようなインターネットの普及率が高い独裁政権にとっては身震いしそうな現実だろう。
(最初は台車で運んだが壊れてしまったのでバンで運ぶことに変更した)
こんなに木の移植作業が大変だとは思わなかった。先日の日曜日(20日)に、おゆみ野の森にマテバシイを移植することにした。
きっかけはUR都市機構の担当者から、「京成学園前駅のURの事務所を閉鎖して、新しい建物を建設するので、そこにある植栽で気に入ったものがあれば、おゆみ野の森に移植してもいい」といわれたからである。
相談した結果「おゆみ野の森にはドングリの木が少ないので、マテバシイを移植しよう」と言うことになった。前もって園芸のコンサルタントSさんと私で、丈夫そうな移植対象のマテバシイを8本選択しておいたが、UR都市機構がそれを重機で掘り出してUR都市機構の事務所の中庭においておいてくれた。
「掘り出しはUR都市機構でしますが、移動はそっちでやってください」との約束だ。
日曜日、このマテバシイをおゆみ野の森まで運ぶだんになって頭を抱えた。
高さはせいぜい3M程度で、たいしたことがないと思ったが、木は上部に伸びた枝と、下に伸びた根がほとんど同じくらいあることを忘れていた。
しかも土がたっぷりとついていて、重さは小錦並だ。
「本当にこんな重たいものを持って行けるのだろうか・・・・」事務所からおゆみ野の森までは約200m、しかも坂道が有る。
森のクラフトマンのOさん、草刈隊の仲間Tさん、明徳短大の男子学生、それと私の4名で運ぶことにしたのだが、うんともすんとも言わないほどの重さだ。
用意したスーパーなどで荷物を運んでいる台車に乗せては見たものの、動き出すまでに4人で気合を入れなければならなかった。
「かんばれ、死んでも運べ!!」
4人で坂道をかろうじて運び上げたが、台車の車がすべてパンクしてしまい、磨り減って車そのものがなくなってしまった。
「台車の車が摩擦でなくなってしまった!!!」驚きだ。
サラリーマンになってからパソコンより重いものを持ったことがなかったのがたたって、へとへとになって座り込んでしまった。見ると他の3人もグロッキーだ。
「いくらなんでも、台車じゃ無理だ。1本運ぶのにエネルギーをすべて消耗してしまう」
Oさんが自身のバンに乗せて運ぶことを提案した。
「後ろを空けて根の部分をバンに載せ、枝の部分は人が持って移動しよう」
この案は正解で、徹底的に根の土を落とし軽くし、バンに載せるまでは苦労したが何とか運べるめどがついた。
ところが3本運んで4本目になったとき思わぬ事態が持ち上がった。
目の前に10階建て程度のアパートがあるのだが、そこの住民からクレームをつけられた。
「あんたら、一体何をしているんだ」カメラで証拠写真を撮っている。
どうやら日曜日に変な男が4人来て、木を盗んでいるのではないかと疑われたらしい。
「UR都市機構から許可を得ている」と言うと、今度は「それなら日曜日に作業することは住民との協定で禁止されているはずだ」とさらに怖い顔で睨まれててしまった。
「こりゃ、だめだ。今日は3本の移植だけで止めよう」
5本を余して撤退したが、実はそれが正解だった。
今度はマテバシイを植える穴を掘るのに悪戦苦闘することになったからだ。地面をシャベルで掘ってみるとわかるが山の土といえどもなかなか掘れない。
上部は草の根がはびこっており、土の部分になると木の根が縦横に走っている。
ほぼ直系1m、深さ70cm程度の穴を3つ掘るだけで、1日のすべてのエネルギーを放出してしまったようだ。
「よく映画で死体を穴に埋めるシーンがあるが、実際は人を埋めるほどの穴を掘るのは大変なことなのだ」と認識した。
この移植でほぼ2時間半程度かかったが、これほど木を植えなおす作業が大変なことだとは知らなかった。
作業が終わるとその日は一日中寝ていた。
さらに今日(21日)は足の裏に奇妙な痛さが残っている。台車に乗せて木を引っ張った時に足の裏側で踏ん張ったせいだが、いつもとは異なる筋肉痛に戸惑っている。
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